フジテレビアナウンサーとしての知名度は、女優としてやっていくなら邪魔だと思っていましたが、今や私がフジテレビにいたということを知らない人がいっぱい。40 代後半くらいなら認知されているかもしれませんが、今現場でバリバリやってらっしゃる若い方は知らないので(笑)。最初は『オレたちひょうきん族』のイメージがあって苦しい時もありました。例えば、変な役も山村さんならできるんじゃないかとか。逆にいい役だったら、候補の最終段階でやっぱりアナウンサーだからという理由でほかの候補に取られてしまったりも。
フリーになってからも、フジテレビのアナウンサーは結束が強くて仲良しなんです。昨年に続いて今年も河野景子さん、近藤サトさんと朗読劇『Dramatic Reading Live vol.2 VAVAVA』(6月30日・7月1日、東京・目黒のBLUES ALLEY JAPANにて。配信もあり)を開催します。「VA」と言うのは、フランス語で「前へ」と言う意味です。「前へ、前へ、前へ」。だから私は、前へ進むしかない。(笑)
舞台に限らず、年齢を重ねると保守的になったり価値観が固まったりしますけど、私はできないものがないように柔軟に何でもやりたいと思っています。昨年からは友人のシャンソン歌手に手ほどきを受けて、6月にシャンソンの発表会に出ます。一昨年は亡くなった夫のことを書いた著作『7秒間のハグ』(幻冬舎)も出しましたし、絵も描き始めて絵画展も2回ほどやりました。最近はTikTokの配信も頑張っています。年齢にとらわれず、何にでも柔軟に取り組んで、「前へ進んで」いきたいと思っています。