「私はガーシーに会ったこともないんですから、うまいことなんて言えませんよ」と語る武田鉄矢

「私はガーシーに会ったこともないんですから、うまいことなんて言えませんよ」と語る武田鉄矢さん

 だから、私はいろいろな番組に出て、東野幸治さんや「くりぃむしちゅー」の上田晋也さんや有田哲平さん、明石家さんまさん、松本人志さんに、やっつけられにいくんです。

 実は私自身も若い頃、大ベテランの俳優さんを泣かせちゃったことがあるんです。映画を撮影中、その方が監督に「このセリフはどう言ったらいいですか」と熱心に伺っていたので、私は「こうやったらいいんじゃないですか!」って、つい横から口出ししてしまったんです。そうしたら、その方は「あんな若い人に教えられるなんて」と泣いてしまった。若気の至りでしたね。

 それに、『3年B組金八先生』を長年やって、ずっといい思いをしてきました。私はいい人の役ですが、周りは融通の利かない校長、機嫌ばかりとっている教頭、金八の悪口を言い続ける教育委員会の人とか、悪役ばっかりです。その役をすごい名優たちが演じてくれていたから、金八先生は引き立ったんです。だから、私の残りの役者人生は、悪い役回りを演じないと申し訳ない。それが芸能界のバランスだ、と思っています。

「人間って多面的」

 実際に悪役を演じることが増えてきましたが、この世は良いことと悪いことに、単純に分けられないことも多いですよ。正解はひとつじゃない。たとえば、不倫もそうです。倫理に反しているとかいないとかでジャッジする問題じゃないんじゃないでしょうか。こんなこと言うと怒られるかもしれませんけど、男という生き物だったら、欲に負けちゃうことってありますよね。今はメディアが正義を決め、答えをひとつに絞ろうとしていますが、人間って多面的だからひとつの答えにすることはできないでしょう。ただ私、個人としては、不倫をして迷惑をかけた人がいるなら、その人の作品をテレビで見る気はしませんね。

 * * *
 後編では、武田さんが「ネットで叩かれたときの向き合い方」や、「松本人志さんに重ねた島田紳助さんの才能」について語っている。

取材・文/中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン