創業から3年、急速にユーザー数を伸ばしていた当時のツイッター社内の様子。創業メンバーのエヴァン・ウィリアムズ氏(右から二人目)とビズ・ストーン氏(右)。その後、マネタイズ問題が浮上するとは誰も予想していなかった(AFP=時事)

創業から3年、急速にユーザー数を伸ばしていた当時のツイッター社内の様子。創業メンバーのエヴァン・ウィリアムズ氏(右から二人目)とビズ・ストーン氏(右)。その後、マネタイズ問題が浮上するとは誰も予想していなかった(AFP=時事)

 マスクは現状、「30日間に1回はログイン」「長期間の休眠は永久削除」と厳しい措置をとるとしている。多くのネットサービスも非アクティブの場合は約款で削除となっているが多くは1年、もしくは「運営の判断」で妥当な年月を定めている。1ヶ月に1回となると事情によっては「うっかり消されてしまう」事態にもなりかねない。また先にも述べた通りTwitterもサービス開始から15年余、アカウントを処分しないままにお亡くなりになった方々や、休眠なのに人気のアカウントもある。かつて一世を風靡したウェブページ作成サービスの「Yahoo!ジオシティーズ」はサービス終了、全ユーザーのデータ削除となったときも猶予期間を設けてそうしたユーザーや資料的価値に対する配慮をとっている。

「今回削除されるのは数年間アクティブでないアカウントで、30日間に1回とかは今後の話ですが、これからは定期的なログインやツイートを心がけたほうがいいでしょうね」

 マスクは即断即決かつドライな判断で有数の億万長者かつ影響力ある起業家として世界に君臨してきた。その彼の今回の「ドライ」な判断。決定かどうかは不透明で、ユーザーの声はもちろん「マスクの気まぐれ」によっては変わる可能性もあるが、著名人やインフルエンサーのアカウントのみならず一般人のフォロワーもそれなりに減る可能性が高く、影響はインプレッション数の可視化以上に大きそうだ。

(文中敬称略)

【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

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