ツイッターの運営会社は「X」に名称変更。米・サンフランシスコにある本社ビル(AFP=時事)
「そういう連中の排除とか、いったん潰す、そういう目的もあるように思います。水増しのアカウントはもちろん、非アクティブなアカウントのフォロワー数をアクティブで適正な現時点の影響力として可視化したい。それがインプレッション数の開示であり、今回の非アクティブなアカウントの削除だと思います」
彼もまたTwitterは10年選手でそれ以前からインターネット黎明期の自作ホームページや匿名掲示板、そして画像投稿サイトを経た40代である。いにしえのインターネットに対する郷愁もある。
「Twitterは日常や趣味をつぶやく場所でした。それがすっかり変わってしまいました。Twitterもおかしくなった。とくにTwitter JPはおかしかった。それをマスクが一掃して、インプレッションを公開にして、そして今回の(非アクティブな)アカウント削除につながる。マスクも天才で変人なのでいろいろやらかしますが、私は支持します。フォロワーと金、それがTwitterをおかしくしたのですから」
ただし、IT系出版社の編集者は懸念も示す。
「結局のところ、Twitter社には金がない。マスクに金はあってもTwitter社は膨大な赤字のままなわけです。広告主は戻りつつありますがその広告主に対して『限りなく正しい数』を示さなければならない。『Twitterの広告効果は不透明』『Twitterのユーザーは購買力が低い』と評価されては困る。それなりの効果を期待しようとなると金額はかかりますから」
Twitterの広告システムに関する話は置くが、これまでTwitter社は1日あたり400万ドル(約5億6000万円)の赤字を日々垂れ流してきたことは事実で、現在は改善しつつあるとされるが依然として赤字、今回の非アクティブなアカウントの削除にはこうした目的もあるのだろう。
「ただし広告が絶対と言っても支えているのはユーザーです。非アクティブなアカウントの中にはお亡くなりになった方や、運用されていなくともアカウントそのものは見られているというユーザーもあります。いわば墓標のようなものですね。そういったアカウントもまたTwitterを支えているわけですから、一概に非アクティブだ、休眠だと削除すると反発を招く可能性があります」
