国内

銀座「ロレックス」仮面強盗事件に暴力団幹部「なんでも上のヤツらが儲かるようにできている」

強盗事件があった東京・銀座の高級時計店を調べる警視庁の捜査員ら。2023年5月8日(AFP=時事)

強盗事件があった東京・銀座の高級時計店を調べる警視庁の捜査員ら。2023年5月8日(AFP=時事)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、銀座のロレックス専門店強盗について。

 * * *
 東京・銀座の「ロレックス」を専門に扱う高級時計店に、8日夕方、白い仮面をつけた男たちが押し入った。その直後から、異変を感じた通行人などがスマホで撮影。その映像には、ショーケースをたたき割って商品を奪う強盗犯の姿が映し出されていた。犯人らは大量の腕時計を奪って、大通りに停めていた白のワンボックスカーに飛び乗り逃走した。だがそのわずか数時間後、10代の男4人が赤坂で逮捕された。4人はいずれも横浜市在住だが、「互いに面識はない」「知らない」という供述をしているという。

「とてつもないアホだと思ったね」、この事件についてある暴力団幹部に感想を聞いたところ、彼はこう返事した。「だが、犯人が未成年と聞いて、ああそうかと納得したよ。最初から使い捨て。捕まることが前提だ。まだ未成年だから、悪くても少年院にぶち込まれるだけとでも言われたんだろう」

 逮捕されたのは16~19歳で、現在の成人は18歳ではあるが、少年法では18、19歳を「特定少年」として取り扱うため17歳以下の少年たちとは異なる処遇になる。とはいえ、20歳以上の成人と違って、引き続き少年法の対象になるだが送検手続きされる事件が拡大したため、強盗事件の場合、特定少年は原則的に成人と同じ裁判を受けることになる。

 銀座の大通りに面した店で、多くの人の目がある中での犯行は大胆だが、手口は稚拙でずさんだった。銀座には表通りでなくとも、高級時計店がいくつもあるが犯人は大通りの店を狙った。銀座地区の防犯に詳しい人物はその理由を「車を停めやすく、逃走しやすいからだろう」と話す。銀座の通りは一方通行が多く、路上には車を駐車させるスペースが片側に設けられている。「狭い通りの店だと車を待機させる場所がなく、逃げる時も他の車が邪魔になって思うようには逃げられない」という。車で逃走するなら大通りに停めるしかなかったのだろう。

 暴力団幹部が「いくら仮面をつけていても、あの手口はひどすぎる」と話していると、彼の電話が鳴った。「あなたの組が関係しているんじゃないの?」という知人女性の声が電話口から聞こえてきた。「バカ言ってんじゃない」と、幹部は呆れた声で答えていたが、「指示役がいるとか組織が絡んでいるという報道があると、暴力団が関与していると思われるが、こういった事件を起こすのは半グレの方が多い」という。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン