ライフ

認知症専門医が勧める認知機能低下の予防法「検索断ち」が前頭葉のエクササイズに

眞鍋雄太医師が認知症予防として実践している対策とは?

眞鍋雄太医師が認知症予防として実践している対策とは?

 年齢を重ねると「あぁ、最近物忘れがひどくなったな」と感じる瞬間も増えてくるだろう。将来的な認知機能の低下を防ぐにはどうすべきか。認知症専門医の眞鍋雄太医師が、自ら実践している対策を紹介する。

 * * *
 日常生活において認知症予防として実践して、患者さんにも勧めているのが「検索しない」という脳トレです。

 私は48歳ですが、人の名前や本のタイトルを思い出せないことが増えています。医師として困るのが薬の名前が出てこないことで、たまに処方する薬は特に「ええっと、あれ、あの薬……」となりがちです(苦笑)。

 今はネットで調べれば何でもすぐわかる時代ですが、認知症を防ぐためには敢えて検索せず、自力で思い出す努力をすることがポイントです。

 脳の前頭葉はインプットした情報から物事を推察したり適切な行動を取ったり、思いを言葉にしたりする働きのある部位です。前頭葉がうまく働かないと認知症になりやすい。頑張って何かを思い出そうとする行為は前頭葉を働かせる絶好のトレーニングになります。

 食生活も重要で、私はアジやサバ、イワシなどの光り物の魚を積極的に食べています。光り物に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)には抗酸化作用があり、脳の神経細胞のサビ(活性酸素)を取ることが期待できます。

 同時に納豆や大豆など良質なたんぱく質や、男性ホルモンを活性化して活力の源となる肉類を摂るなどバランスの取れた食事も効果的です。

「飲み会」は断わらない

 認知症と関連する病気の予防も心がけたい。特にアルツハイマー型認知症は糖尿病を患っていると発症リスクが1.5倍になるとの統計があります。糖尿病になると末梢の血管障害が起きて脳梗塞などになりやすく、生成される活性酸素が認知症の原因物質とされるアミロイドβを作る引き金になります。このため食生活を改善して糖尿病を防ぐことが認知症予防につながります。

 もちろん運動も重要で、「ちょっと息が上がるくらいのウォーキング」を15分行なえば、脳血管障害の予防に有効とされます。運動によって消費カロリーが上がると肥満防止や血流改善になり、脳の神経細胞に酸素を供給するため、糖尿病やその先にある認知症を防ぎます。私は忙しくて週2~3日しか実践できていませんが、脳を若返らせることが期待できるのでお勧めです。

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン