年に1度の歯科検診も必ず受けています。九州大学などの研究では、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の発症や症状悪化を招く可能性が指摘されました。また東北大学の高齢者を対象にした研究によると健康な人は平均14.9本の歯が残っていたが、認知症の疑いがある人は平均9.4本でした。ほかにも多くの研究で歯の本数と認知症の関連が指摘されており、歯が抜ける原因となる歯周病のチェックと口腔ケアは欠かせません。
最後に、日常生活で心がけてほしいのは「会話」です。人間は会話することで脳を発達させてきた動物であり、前頭葉は人と話すことで活性化します。だから私はあらゆる会合に積極的に参加し、会食や飲み会の誘いはほとんど断わりません(笑)。
リタイア後は人と会う機会が減り、会話も減って前頭葉のエクササイズができず認知症のリスクが高まります。できるだけ社会と接点を持ち続け、ボランティアや趣味のサークル活動などに参加することが求められます。
※週刊ポスト2023年5月26日号