2020年に調教師試験に合格した
ところで2400mを勝つためのローテーションがあるかどうか。まだキャリアも浅い。若くて集中力がない時に、長い距離を走らせようと思うとどうしても他の馬を見てしまいますよね。あっち行ったりこっち行ったりしちゃう。でもウメノファイバーのように1000mとか1200mで走ることを覚えさせるということも大事なのかもしれません。そこから徐々に距離を伸ばしていけばいいという考え方もあります。
彼女はこの後重賞ばかり7回走っていますが、4着が最高でこの時負かしたトゥザヴィクトリーにも翌年2回負け、4歳暮れを最後に母親になりました。これまで送り出した10頭以上の産駒では目立った成績はあげられませんでしたが、孫のグリューネグリーンが昨年の重賞京都2歳ステークスを勝ち、ダービーにも出走するようです。管理するのはお祖母さんと同じ相沢郁先生。こんなドラマがあるところも競馬の素晴らしいところです。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年5月26日号