「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿

「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿

──大ブームになったネタ番組『エンタの神様』(日テレ系)に出るのもその頃ですね。

 番組の総合演出だった五味一男さんから、「お前らはいい奴だから出す」って言われてた。毒舌とかキレ芸とか芸人のジャンルがあるなか、「いい奴」枠で出してもらってたのは俺らぐらい。『あらびき団』(TBS系)ではパンダの格好して、『パンダーズ』って名前で出てたんだけど、俺らのネタで女の子から「かわいい」って声がかかったのは唯一これだけ。

──新ネタですね。手応えは?

 パンダーズでは、来日したパンダのお披露目に駆けつけたら、上野の商店街のゆるキャラの仕事がきた。すぐソロバン弾いて、ゆるキャラのギャラ、それに付随するイベントとかで、1年間にコンビで300万円ぐらい入ってくる計算だった。ところが、そのゆるキャラのお披露目イベントの数日前に、東日本大震災が発生。世の中が自粛ムードになって、パンダの格好して出ていけない状況になってね。

──2人だけの「企業」で、年間300万円の損害は大ダメージです。

 ギャラのダメージも大きかったけど、同時にあの頃から世の中の空気が変わっていったんだよね。「一生懸命やっている人を応援しよう!」みたいな流れに。ふざけていると嫌われるようになって、俺らのスタイルがまったく通用しない。だって、「被災者のみなさんに笑いを届けたい」って言いつつ、名前が『ガッポリ』だったら寄付で儲けてるみたいで、イベントに呼べないでしょ。名前を変えりゃあよかったんだけど、実力もないのに「名前は捨てられねえ」とか妙な意地張ってね。仕事はびっくりするぐらい激減したよ。

──相棒の室田さんは家庭があったため、コンビ活動は休止したまま制作会社で働くようになりました。ピン芸人となった小堀さんはどんな生活をしていたんですか。

 ここからが、第2期貧困時代。落語で二ツ目にあがってからドラマに出るようになるまでが第1期。第2期は、年齢もそこそこいってたからキツかった。当時住んでたアパートの裏にお寺があって、柿やアンズがなっていた。そのお寺を「フルーツショップ」って呼んで、今日の昼飯は柿が2つ、明日はアンズが3つ……って猿じゃねえんだから。ガリガリに痩せて具合が悪くなったから病院行ったら、「栄養失調です」だって。

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