芸能

「市川猿之助」の名跡はどうなる? 市川團子が引き継ぐのが既定路線、襲名までは市川團十郎が後見人か

一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)

一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)

 歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が一家心中を図ったとみられる事件で、本人は一命をとりとめたものの、父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(享年76)と母親の喜熨斗延子さん(享年75)は死亡した。猿之助は警察に「家族会議をして、あの世で生まれ変わろうと両親と話した」と説明したことがわかっているが、事件には解明されていない数々の疑惑と謎がある。

松竹はなぜ「雇用関係にない」とコメントしたのか

 事件の第一報後、松竹はコメントで「雇用関係にない歌舞伎俳優さんのプライベートな事に関わる内容」と述べた。まるで俳優たちに責任を丸投げしているかのような内容に世間からは批判の声が上がったが、松竹と歌舞伎俳優の関係とはどうなっているのか。

「松竹はあくまでも『興行主』。テレビ局と俳優の関係に近く、キャスティングはしても、マネジメントはしない。芸能事務所と違うのはその点です。松竹もそう説明せざるを得なかったのでは」(ベテラン演芸記者)

市川團子はなぜ一晩で代役を務められたのか

 猿之助が主演を務めていた明治座公演の演目「不死鳥よ 波濤を越えて」は、事件当日と翌日こそ休演となったものの、2日後には香川の息子・市川團子(19)が代役を務め、大成功を収めた。

「実質團子さんは1日で準備をし、通し稽古はできなかった。しかも猿翁さんの作品であるこの演目の上演は44年ぶり。ただ、團子さんは歌舞伎の型への理解が深く、ハードルの高い台詞回しや踊りをクリアできた。

 さらに、この演目は歌を披露しなければいけないのですが、團子さんは三味線、鳴り物と唄の稽古も若手の誰よりも重ねていた。そのこともあって、周囲を驚かせるほど圧倒的な歌唱力をみせることができたのです」(同前)

「猿之助」の名跡はどうなるのか

 猿之助の名前は400年続く歌舞伎の世界でも珍しく、150年以上にわたり途絶えたことがない。

「團子くんが継ぐのが既定路線ですが、まだ年若く、さらに襲名には四代目(現・猿之助)の承認が必要なため、彼が今後罪に問われた場合、時間がかかる。そこで香川さんの盟友で澤瀉屋の師匠筋にもあたる市川宗家の当代團十郎さんが團子くんの後見人となり、襲名までの間、支えていくそうです」(梨園関係者)

※週刊ポスト2023年6月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン