基本ノーバンで投げ込む(時事通信フォト)
その後、コロナ禍に入るとプロ野球は無観客試合となり、始球式も休止に。この影響で稲村は2019年から3年間登板していない。こうしたなか、2021年5月の千葉ロッテvs楽天選で3年ぶりの始球式に登板したが……。
「コロナ禍で思うようにトレーニングできなかったのか、投球はワンバウンドになり、球速も最速よりも10キロ遅い95キロでした。本人は『マウンドにまた上がれるうれしさで、涙が出そうになりました』と心境を語っていましたが、それから公式戦の登板は約2年ほど遠ざかっています。
彼女は始球式で12球団制覇を目標に掲げていますが、実は“大人の事情”で厳しい状況です。稲村さんは大手スポーツ中継配信の『DAZN』のイベントや関連番組に多く出演していますが、広島は12球団で唯一同社と契約していません。
地元放送局が広島に力を入れていることもあって、DAZNの看板的な存在である稲村さんに依頼することを躊躇しているのではないでしょうか。また、近年の巨人も芸能人以外の有名アスリートの起用が目立ち、今となってはタイミングを逸してしまった感があります」(前出・スポーツ紙記者)
それでも昨年、稲村に野球と携わる思わぬ機会が訪れていた。日本代表選手として世界と戦えるチャンスだった。