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糖尿病にグルテンフリーは逆効果? 糖質過多や食物繊維不足でむしろ罹患リスク増との研究結果

健康法として実践する人も多い「グルテンフリー」だがリスクも(イメージ)

健康法として実践する人も多い「グルテンフリー」だがリスクも(イメージ)

 テニスの全仏オープンを制し男子最多となる23度目のグランドスラムタイトルを獲得したノバク・ジョコビッチ(36)。彼が実践・推奨する健康法として知られるのが「グルテンフリー」だ。

 ジョコビッチ自身は「グルテン不耐性」による体調不良を改善するために始めたとされるが、今やグルテンフリー食はダイエット効果や糖尿病の予防効果があるとして広く注目されている。

 しかし、逆にこのグルテンフリーで糖尿病になる可能性があると指摘するのが、秋津壽男医師だ。

 米ハーバード大学が2017年に発表した研究結果によると、1日12g以下の標準的なグルテン摂取群に比べ、4g以下と少ない群は糖尿病のリスクが13%上昇していた。

「食事の際に小麦粉のパスタを米粉製に変えるなど、グルテンを避ける分、ほかの栄養素を摂取することになるため、グルテンフリー食で糖質過多になったり、糖尿病の予防因子である食物繊維などが不足したりして血糖値が上がると考えられます」(秋津医師)

 また糖尿病治療では「甘いものを食べてはいけない」と思いがちだが、果物を食べることが糖尿病予防につながるというデータがある。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。

「近年、水溶性食物繊維が豊富に含まれる果物を摂取することで、糖尿病リスクが低下することが多くの研究で明らかになっています。食物繊維は食後血糖値の上昇を緩やかにする作用があり、その摂取が、糖尿病の予防や治療に重要であるとわかってきたのです」

 2021年6月、医学誌に掲載された論文によると、果物の摂取量によって、2型糖尿病の発症リスクに最大36%の差が生じる可能性があることが示唆されている。

 同論文の筆頭著者(オーストラリアの研究者)は、果物を多く摂取している人はインスリン感受性が高く、糖の代謝が効率的になるために糖尿病発症リスクが低いと分析しているという。

※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号

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