石川遼にも相談
今回のグリップもそうだが、スイングやフォームの頻繁な改造が不調の原因と見る向きもある。
初出場で全英女子オープンを制覇した2019年の渋野のスイングを創り上げたのは、師弟関係を結んでいた青木翔コーチとの二人三脚だった。
「2017年、渋野が1回目のプロテストに失敗した直後に青木コーチに師事したことで、彼女の才能が開花した。世界のシブコが誕生したのは青木コーチの指導あってこそでしょう」(ツアー関係者)
全英制覇で時の人となり、日本中がシブコ・フィーバーに沸いた。帰国後も国内ツアーで優勝し、シーズン4勝。一気にスターダムを駆け上がった。
しかし、世界がコロナ禍に見舞われ、ゴルフの試合自体が中止や短縮されるなど異例のシーズンとなった2020年に調子が伸びなくなる。前回チャンピオンとして出場した2020年の全英も予選落ち。
「断トツだった“バウンスバック率”(ボギーの後にバーディを取る率)にも翳りが見え始め、勝てないことでメンタル面でも調子を落としているようでした」(担当記者)
同年オフには青木コーチとの師弟関係を解消し、スイング改造を試みた。
「成績を残せなかったことから『世界を目指すスイングに改造する』との理由で青木コーチとの契約を解除し、独学でスイング改造をスタート。そうしてたどり着いたのが、肩より低いトップのスイングでした」(同前)
男子プロのような極端にトップが低いスイングは安定感を欠き、賛否両論あったが、2022年の全英女子オープンで3位に入り、結果を残した。だがこの時、テレビ中継の解説者だった樋口久子プロはこう語っていた。
「2019年にメジャー優勝しているわけですから、すぐにスイング改造するのはどうかと思う。様子を見て、何年か経って壁に当たった時にちょっと考えるのがいい。極端なものですからね」