それ以外であがっているのは、ルッキズムやハラスメントに対する不安。これは10人の女性を選ぶこと、その基準が外見になりがちなこと、ハラスメントを思わせる発言が多くなりそうなことへの不安でしょう。芸能界の大御所が「勝手に選んで女性に順位をつける」ことに嫌悪感を示す人がいても不思議ではありません。
また、さんまさんは現在68歳だけに、「高齢者の好みのタイプをあげていく」という企画そのものを疑問視する声も見られました。20年以上前にはじまった企画だけに、時代や加齢の流れに合いづらくなっているところもあるのでしょう。
『27時間』は深夜帯が一番面白い
ここまで挙げてきた「既婚者が多い」「中居さん不在」「ルッキズムとハラスメント」「高齢者という印象」という不安をさんまさんはどのようにクリアしていくのか。
ちなみに前回2019年のランキングは、1位が新木優子さん、2位が浜辺美波さん、3位が唐田えりかさん、4位が新川優愛さん、5位がある飲食店の外で告白を受けていた女性、6位が元バレーボール選手の滝沢ななえさん、7位がBS国際報道の酒井美帆アナ、8位が仲村みうさん、9位がJAL羽田発石垣島便のCA、10位が『全裸監督』出演の森田望智さんでした。
このランキングから4年過ぎてどんな変化が見られるのか。そして、誰がスタジオや電話で出演するのか。その顔ぶれに賛否の声こそあれ、ネット上をにぎわせてくれそうです。ただ、さんまさんを筆頭に、お笑い界のトップランナーが9人も集まるわけですから、ランキングそっちのけでフリートークを続けてしまい、「名前の紹介のみで終わる」というケースも十分ありえるでしょう。
いずれにしても、「『27時間テレビ』は深夜帯が一番面白い」は、お笑いフリークの共通認識。「最もハジけてくれる時間帯」「どんなインパクトを残してくれるのか楽しみ」という期待に応えてくれるのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。