国内

自民党女性局の議員、フランスへの「研修」で“エッフェル塔ポーズ”写真 「困っている人は他人事」という庶民とズレた感覚

松川るい議員が投稿したエッフェル塔ポーズ(ツイッター改めXより)

松川るい議員が投稿したエッフェル塔ポーズ(ツイッター改めXより)

 自民党の女性局の議員らによるフランス研修に批判的な声が高まっている。松川るい議員がSNSに投稿した“エッフェル塔ポーズ”をする写真に、ネット上で「観光旅行のようだ」との声が出ているのだ。作家の甘糟りり子さんも議員らの行動に疑問を投げかける。

 * * *
 Twitter改め Xでアトランダムにいろいろな投稿を流し読みしていたら、ある投稿に目が止まった。

「女性局メンバー38名、無事にフランス到着!! #フランス #自民党 #女性局」。自民党の今井絵理子議員が7月24日に投稿したものだ。秋田や福岡の被災地ではいまだに生活がままならない人がたくさんいる今、旅費の高い時期にわざわざ大規模な暴動が起きているパリまで大勢で何をしに行ったのだろうと不思議に思った。続けてスクロールしていると、同じく自民党の松川るい議員の投稿が現れた。それにはエッフェル塔の前、赤い文字で「自民党 女性局」と書かれた横断幕とともに30人ほどで記念撮影した写真、女性3人がエッフェル塔の前で笑いながら、塔に見立てて両手を頭の上で合わせている写真があった。

 これ、観光旅行ではなく研修旅行の模様だそうである。国会議員4名と地方議員、民間人の女性幹部による「研修」とのこと。

 ちなみに、記念写真の横断幕には「女性局」の文字の他、ハートマークのような赤いロゴもあって、「女性=赤、ハート」みたいな旧態依然としたセンスを女性側が押し付けられないようと動く組織ではないことがわかる。むしろ嬉々としてそれを受けいれている人たちかもしれない。

研修という名の親睦旅行?

 研修旅行というからには、旅費は税金から支払われているのだろう。受け取る側は当然そう思う。仮にエコノミークラスとして JALだとシャルル・ド・ゴールと羽田の往復便で約20万円、38人分だと空港税は別として飛行機代だけで最低760万円だ(単なる偏見だけれど、国会議員はエコノミークラスには乗らないような気がする)。帰国は28日だったようで、円安の折3泊分の宿泊費や滞在中の食費など、38人分の旅費がいくらかかったのかとつい考えてしまう。

 電気代の高騰で酷暑の中エアコンを使うことためらって熱中症で命を落とす高齢者や値上げの嵐で食費にも困る母子家庭がいるのに、はっきりいって急を要するわけでもない研修という名の親睦旅行に行き、嬉々として楽しそうな様子をSNSにアップする政治家ってどうなのよ。Twitter改めXの画面を見ながら、そんなことを思った。

 同じように感じた人は多く、当然のことながら批判の嵐となった。今井絵理子議員がまずしたことは、自分宛に送られてきた「税金使って旅行はどうですか? 早く死んでほしいです」というDMのスクショをわざわざあげて、「(自分はいいけれども)世の中にはその言葉に悩み、苦しみ、思い詰める人もいます。SNSの発言には気をつけなければいけないですね」と投稿することだった。死んでほしいなどとは誰に対してでもいうべきではないのは当たり前けれど、そこをピックアップして自分への批判をずらそうとしているようにしか思えない。 SNS の発言には気をつけた方がいいのは誰なのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン