「吐き気を覚えた」「なかったことにしている」M-1初出場の苦い記憶
──ギャロップが2018年、M-1ラストイヤーで決勝に初めて出場したとき、合コンのネタを披露されましたよね。結果は8位でした。毛利さんは、いつもあのときは自分が大失敗したのだと話していますが、映像を何度観返しても、どこをどう失敗したのかわからないんですよね。
毛利:わからないと思います。
林:普段から観ている人なら、わかるのかな。いつもと違う、って。僕もそのときは、いっぱいいっぱいで気づいてないんですけど。
──固かったのですか?
毛利:というか、抑揚、トーン、声の出し方、イントネーションと、全部変なんですよ。僕、自分が好きなタイプなので、自分が出ている番組はロケとかも含めて必ず見返すんです。反省会も含めて。いつも5回くらいは見るな。でも、M-1決勝の映像を何かのときにちょっとだけ見返したら、吐き気を覚えた。これは、やばいわ、と。だから、マジで見返すのは無理ですね。
林:M-1は聞いていたのと全然、違ったんです。何回もM-1決勝に出ている芸人さんに「決勝はいちばん(お客さんが)温かいから」って言われてたんですけど、あの年は、ちゃうかったらしくて。とにかく、重かった。僕はあのときのことはもう記憶から消しているというか、なかったことにしているという感じですね。
──そういう意味では、THE SECONDの優勝で見事、M-1の雪辱を果たしたわけですね。
毛利:決勝まで3本のネタをやらせてもらいましたけど、今回はパーフェクトでしたね。まあ、細かいミスはありましたけど、でっかいミスはなかったんで。パーフェクトということにしています。
──6分のネタをあの短時間で3回もやったら、相当疲れるのではありませんか?
林:それ、けっこう言われるんですけど、1日で10分ネタを3ステ(ージ)、4ステ(ージ)こなすこともあるので、ぜんぜん問題なかったですね。
──でもテレビの熱量で6分というのは、疲労感も違うと思うのですが。
林:アドレナリンが出ていたというのもあるのかもしれませんね。
毛利:緊張はしていたけど、悪い緊張ではなかった。だから、そこまで体力を消耗しなかったのかも。
──それにしても、3本もネタをテレビで見せてしまって優勝できなかったら、翌年は大変でしたよね。
林:45歳を超えて、毎年、テレビで通用するネタを3本考えるのなんて、もう無理ですからね。今年、決勝まで行ってダメだったら1年くらい間を空けて、ネタのストックをしなきゃいけなかったと思います。
毛利:でも、THE SECONDは、そういう大会になるんやないか? M-1みたいにあと何年で出られなくなるということがないので、ネタがそろったら出るし、そろわんかったら見送るという。