その一方で、「考察はメディアの仕事ではない」「メディアとしての矜持はないのか?」という指摘もあるでしょうが、「時にメディアは視聴者と一緒に楽しむ姿も見せていく」という時代に変わってきているようにも見えます。
残り4話でどこまで盛り上がるか
全10話の『VIVANT』は、27日の第7話を含めて残すは4話のみ。乃木憂助(堺雅人)や黒須駿(松坂桃李)ら別班、野崎守(阿部寛)や佐野雄太郎(坂東彌十郎)ら警視庁公安、ノゴーン・ベキ(役所広司)や役名未発表(二宮和也)らテントの3者がいよいよ対峙するシーンが迫り、さらなる盛り上がりが期待できそうです。
実際、第7話の予告映像には、「別班がテントへ潜入!」「繋がる絆 共通の敵はテント!!」「父子の宿命 愛か、任務か―」などと物語が大きく動きそうなシーンがあるだけに、放送中から終了後にかけてネット上にはさまざまな反響が飛び交うでしょう。
その他にも、単なる医師で終わるとは思えない柚木薫(二階堂ふみ)、公安ながら「実は別班」説がある新庄浩太郎(竜星涼)、経歴に怪しさを残す丸菱商事専務・長野利彦(小日向文世)、有能すぎて疑われはじめたドラム(富栄ドラム)、謎めいたバルカの少女・ジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)など考察をうながす登場人物が目白押し。
最後まで右肩上がりで盛り上がりそうなだけに、最終話は配信再生数を筆頭に「ネット上のあらゆる数字がどこまで伸びるか」に注目してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。