──確かにグループ活動と並行しながらだと、1つ終わって新たにスタートしたわけではないので、日ごろからソロ何年目という意識を持たないかもしれないですね。
はい。だから、実は自分でソロ活動をして何年目だな……と振り返ることがあまりなかったんです。でも、いま一度自分を客観視しながら、ファンのみなさんが何を求めて下さっているのかを改めて考える良いきっかけになったので、このアルバム『EXPLORE』でまた新たなスタートを切れたらと思っています。
──思い出の日本武道館でのソロライブも近づいてきました。改めて、オーディション当時のことを思い出すとどんな思いがありますか?
ほぼ記憶がないんです(笑い)。あれよあれよという間に、ことが進んでいった感じで。HIROさんから名前を呼ばれて、スタッフさんに言われて急いで着替えて、顔もメイクさんに汗をバーッと拭いて頂いて。狭い暗い中を誘導していただいて、出た先が武道館のセンターステージだった……という。もう、自分がどこにいるのかもよくわからないまま、知らないうちにガッツポーズをしていました(笑い)。
──オーディションでは選考の段階があったと思いますが、いまだに忘れられないことはありますか?
1次審査のときのMATSUさんの眼光の鋭さと、ATSUSHIさんがサングラスをされていたのでどこを見ているのかわからない怖さ(笑い)。あとは2次審査のときに、少し早めに会場についたら、近くにワンボックスカーが止まってATSUSHIさんが出てきたんです。すぐに会場に入らないで、外のガードレールにもたれてメールを打っていて、その姿を「本物だ!」と興奮しながら見ていました(笑い)。
──いまはオーディションでさまざまなグループが誕生する時代になりましたけど、TAKAHIROさんの場合は、既存の人気グループのボーカリストに選出されるという意味では、プレッシャーも大きかったと思います。グループ加入からは17年ですが、改めて日本武道館ライブに向けた思いをお聞かせください。
やはり日本武道館は特別な思いがある場所なのですが、自分のその想いだけではなく、長年応援してくださったファンのみなさんが、ぼくが武道館に立つということを本当に喜んでくださっていて。右も左もわからなかったぼくがEXILEというグループに加入したとき、ただの素人だったぼくのことをファンのみなさんが温かく見守り、支えてくださった。そういう加入当時の景色って、残像のようにいまも残っているんです。ソロとして武道館のステージに立つということを、自分以上に喜んでくださるファンの皆さんに楽しんでいただけるように、最善の準備をして挑みたいと思っています。
撮影/中野修也(TRON)