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山口真由さんが語る「自分の弱点」と「経験できなかった青春」 『スラムダンク』『白線流し』に夢中

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新刊『挫折からのキャリア論』で半生を赤裸々に明かした

 現在は信州大学特任教授であり、テレビの情報番組などでコメンテーターも務める山口真由さん。よく知られているように、学生時代の成績は常にトップクラスで、東京大学在学中に司法試験に合格し、「全優」の成績で卒業。財務官僚、弁護士などの華々しいキャリアを経て、現在がある。加えて、社会人になってからも学ぶ意欲は絶えることなく、ハーバード大学ロースクール留学や、東大大学院も修了。現在も毎朝、勉強は続けているという。

 経歴の字面だけ眺めていると、山口さんが私たち庶民と同じ立ち位置にいるとは思い難い。オーバー気味に表現するなら、雲の上にいる人……だったはずの彼女が、実は社会人になってからは挫折の連続だったことを、新刊の『挫折からのキャリア論』(日経BP)で告白している。

「勉強ができる優等生でいることと、社会人になって仕事ができることは、まったく別物。私は教師の指示をクリアしていく、日本の教育システムに合っていただけです。社会人デビューをしてから、突然『自分で考えて行動しろ』と言われても、何もできなかった」

 そう話す山口さん。ではその優等生は、どんな青春時代を過ごして、どんなマインドで勉強をしていたのか。ご本人に当時のことを聞かせてもらった。【全3回の第1回】

動く歩道でもスーパーのレジでも「絶対に負けたくない」

 彼女が「自分は勉強ができるのかもしれない」と自覚したのは、小学2年生の頃。勉強が得意というよりは、同じく優等生だった同級生たちに負けないために必死だったそう。そして“負けず嫌い”は今もまったく衰えていないという。

──小中学生だとクラスメイトと仲良くしているのが一般的ですが、当時から成績優秀だった山口さんからすると、同学年の多くの生徒たちはどんなふうに見えていたのでしょうか? 友達? それともライバル?

山口真由さん(以下、山口):私みたいに学年で1番を取ろうとしている学生だと……学年やクラスの人数が何人いようと、誰が友人関係にあろうと関心がまったくない。意外と視野は狭いんですよ。

──ずっと学年1番の成績をキープしていた山口さんのレベルだと、同級生たちが「私より勉強ができないんだから」と見下すようなことはなかったですか?

山口:そんなことは考えたこともなかったですね。ただ隣にいる人に勝ちたい、その一心なんです。この負けず嫌いはいまだに続いていて、私、動く歩道でも「この人には負けない」と、ひとりふたり相手をマークして、絶対に負けないように歩いていますもん(笑)。

──動く歩道は勝負するためのスペースではないですよね(笑)。

山口:いやそれでも絶対に負けたくないです。特に気にしているのは、東京駅の動く歩道に続くスペースですね。歩道の手前にエスカレーターがあるんですけど、そこから私の戦いは始まっている。しかもそのエスカレーター、時間帯によって速度が違うんですよ。この事実に気づきながら、遅いほうに乗って、ライバルに抜かれていくときの気持ち……。二度とあの屈辱は味わうまい! と思います。

 スーパーのレジでもそうです。より早く会計を済ませたいので若いお客さんがレジに並んでいる列を選ぶようにしているんです。そのほうがスムーズにレジは進みますから。でもある日、私の前の若いお客さんが「ポイントカードってなんですか?」と、店員さんに質問を始めちゃって……あのときの絶望感……。

──その生活は疲れそうですね……。

山口: 確かにそうですね。最近は少し疲れてきました。

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