少年野球チームとの交流試合で打席に立つ清原和博(時事通信フォト)
しかし清原氏が現場復帰すれば、各方面から拒否反応が出ることは間違いない。まずは薬物で逮捕されたという過去。そして体には刺青も刻まれている。この2つの問題をクリアすることはできるのか?
「薬物に対する球界の拒否反応は強い。清原氏と同じく違法薬物で逮捕された江夏豊氏は再犯を重ねず、罪を償って30年近く経過していますが、いまだ現場復帰は叶わず、臨時コーチ止まりです。ただ、江夏氏が実刑だったのに対し、清原氏には執行猶予がついた。この差は大きいでしょう。
また、引退後に体に入れた刺青も現場復帰の大きなネックです。清原氏は一連の裁判で、証人として出廷した親友の佐々木主浩氏から刺青を消すように言われ除去手術を始めましたが、昨年秋の『FRIDAY』の記事を見る限り、完全には消し切れていません。
しかし長袖のユニフォームを着れば刺青は人目につきませんし、昨今では派手なタトゥー入れた外国人選手は珍しくなく、一番規律が厳しい巨人でさえタトゥーは“解禁”になっている。サッカー日本代表にもタトゥー入りの選手は何人もおり、もう刺青=出禁という時代ではありません」(同上)
反発はあるだろうが、入閣の目は十分にありそう。さらに彼を起用すれば、別の旨みもある。
「リアルな話をすれば、清原氏が入閣すれば来季の話題を中日が独占するのは確実です。年俸2000~3000万円だったとしれば、その“投資額”ではるかに多くのリターンが見込める。もし何らかのトラブルが起きても、球団としては“立浪監督たっての希望だから”という逃げ口上も立つ。ビジネスとしてやらない手はないでしょう。
立浪監督は来季も成績が振るわなければ、2度と現場には戻れない。しかし清原氏を迎え入れる荒療治で少しでも光明が差せば、契約延長の目が出てきます。清原氏としては立浪監督は勝手知ったる後輩ですし、彼には正直、失うものなどない。現場復帰の喜びが選手たちにも伝わり、彼らがプレーする喜びを再認識できようなら、自ずとチーム成績も上向くのではないでしょうか」(前出記者)
PL、西武、巨人、オリックスで東京と大阪を沸かせた男が、今度は名古屋の街を笑顔にできるだろうか。