村井は「ぼくみたいな夫の妻が務まるのは彼女くらい」と話す

村井は「ぼくみたいな夫の妻が務まるのは彼女くらい」と話す

 でも私はがまんしているというよりも、“まぁいいじゃない”の精神なんですよ。こういう仕事をしていれば、ドラマで半年や1年間同じ女優さんと一緒にいるので、ちょっと素敵だと思う人ができるのは当たり前。もちろん不倫を歓迎するわけじゃないけど、必要以上に探ることはしません。

 私も舞台やドラマの仕事が忙しくて、離婚なんて考える暇がなかったということもありますが。何より、そんなつまらないことで私たちが何十年も培ってきた関係を崩したくはない。怒りをぶつけてもいいことはないし、村井さんが「すまなかった」と土下座して謝るような姿を見たいわけでもない。だから、“まぁいいじゃない”と考える。

 長く一緒にいれば、お互いにいろいろあります。それを毎回いちいち突き詰めて、許すとか許さないとかやっていたら、あっと言う間に人生が終わってしまうじゃないですか。

 いろいろあったけれど、夫に感謝していることは数え切れないくらいあります。いちばんは、38才で乳がんの手術を受けた後、うつ病にもなって精神的にどん底だったとき。徹底的に寄り添い、「きみがいてくれたからこそ、ぼくが生きているんだよ。ぼくがいるのはきみのおかげだよ」と声をかけてくれました。村井さんがいなければ、私は生きようとは思えなかったし、いまこの世にいなかった。体の不調はお医者さんがいれば治せるけれど、私の場合、心は夫にしか治せなかった。

「あなたのおかげだよ」は魔法の言葉。お互いに感謝する言葉をかけ合うことが、夫婦関係を円満にする秘訣だと思っています。

【プロフィール】
音無美紀子(73才)/俳優である夫の村井と共に、女優としてテレビから舞台まで幅広く活躍。娘と親子クッキングを配信するYouTubeチャンネルも話題。

※女性セブン2023年10月12・19日号

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