浜辺は原節子の「目の輝き」に魅せられたという(時事通信フォト)
撮影前に、浜辺と内田監督らで目の不自由な中高生に取材した際にはこんなことがあったという。
「大ファンだという子が泣き出したんです。浜辺さんはずっと『ありがとうね』と優しく接していた。その姿、眼差しに包み込むような優しさと聖母のような空気を感じたのです。ヒロインの優しさの表現として加えたくなるような、そんな感情が奮い起こされました」(同前)
今年、大作のヒロインを立て続けに演じた浜辺は、大晦日に紅白歌合戦の司会も務める。前出の中森氏が語る。
「浜辺さんは全世代から支持される国民的女優になりつつある。今後は“年齢差”のある共演が見たいですね。昭和の時代は、薬師丸ひろ子さんなど若手女優は年上のおじさん俳優との共演で飛躍していった。『男はつらいよ』シリーズがもし続いていたら、マドンナ役として浜辺さんに出演オファーがあったでしょう。
『らんまん』で母親役も好演しましたし、これから大御所俳優との共演や大人の女性役などで役の幅を大いに広げてほしい」
令和の豪華絢爛な画面でも、浜辺美波はひときわ輝きを放つ──。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2023年12月8日号