国内

「特捜」と双璧をなすサンズイ(汚職)捜査の職人集団「警視庁捜査2課」 悪質・巧妙化した特殊詐欺に翻弄される現在

警視庁捜査2課は汚職や選挙違反などの捜査・摘発を担ってきたが…

警視庁捜査2課は汚職や選挙違反などの捜査・摘発を担ってきたが…

 ソフトバンクの元部長や元課長らが、同社事業への投資と偽り中国籍の男性らから数千万円を騙し取ったとして警視庁捜査2課に「詐欺容疑」で逮捕された。投資詐欺やコロナ給付金詐欺、海外に拠点を持つ特殊詐欺グループの摘発・逮捕など、手口が多様化した詐欺事件の捜査を現在重点的に手掛けている「警視庁捜査2課」だが、かつては大型汚職事件などの捜査で霞が関の高級官僚や永田町の政治家といった“大物”たちをも震え上がらせた実績で知られる。

 その一つに数えられるのが、ある元特捜検事に対する執念の捜査だ。豊富な法律の知識と類稀(たぐいまれ)な捜査経験をフルに活用して「バブルの紳士」たちの跋扈をバックアップし、「悪徳弁護士」の呼称を“ほしいまま”にした男の逮捕に、情熱を傾けた刑事たちが警視庁捜査2課にはいた。そんな警視庁の「職人集団の物語」を、警察捜査の第一線をよく知る元マスコミ記者でジャーナリストの宇佐美蓮氏が紐解いた。

 * * *
「あの元『特捜のエース』の逮捕に向けて夏休み返上で捜査に打ち込み、過労死したと噂された刑事もいた。そんな職人集団が“2課”だ。だけどその職人集団も随分と様変わりしてしまった」──。

 警視庁OBは感慨深げに語る。2課とは警視庁捜査2課。汚職の「汚」の字からサンズイと呼ばれる贈収賄や詐欺を手掛ける全国警察の捜査2課の中でも、厚生省汚職事件(1996年立件、現厚生労働省)で中央省庁の事務方トップ・事務次官を、秘書給与流用事件(2002年立件)で国会議員を逮捕するなど圧倒的実績を誇る。だから2課は数多あるが、単に2課と言えば警視庁捜査2課なのだ。特捜と略される東京地検特捜部と並び中央政界や省庁の経済事件ににらみを利かせる2大捜査機関の一翼を担う。

 元「特捜のエース」とは伝説の特捜検事・田中森一(もりかず)。自民党全盛期に首相を務め「今太閤」と持てはやされた政界の絶対権力者・田中角栄を東京地検特捜部が総理在任中の収賄容疑で逮捕したロッキード事件(1976年立件)の捜査を指揮し、異例の人事で東大卒の指定席とされる検事総長に上り詰めた吉永祐介(2013年永眠)を同じ岡山大卒の大先輩と仰いだ。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン