『24時間テレビ』のオリジナルTシャツを着る水卜麻美アナ
一方、公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会は、「当委員会を構成する民間放送31社では、皆様からお預かりする寄付金について、さらなる厳重な管理を行い、徹底して再発防止に努めて参ります」などのコメントを発表しました。
しかし、世間の人々は日本海テレビだけの問題とは思っていないだけに、「着服はなくて当然のことであり、これからさらに気をつけていく」というスタンスの対応だけで納得してもらうのは至難の業。実際、ネット上にはグループ全体にわたる具体的な再発防止策の提示を求めるような声が散見されます。
5つ目の理由は、『24時間テレビ』のあり方に疑問を抱いていた人が多かったこと。2010年代あたりから当番組には、出演者たちの報酬、障がい者に対する演出、真夏のマラソン、旧ジャニーズの重用などを問題視する声があがり続けていました。今なお高視聴率や多額の募金を得られる番組であることは間違いないものの、着服という最悪の事態が発覚したことで、それらの思いに火が付いたのでしょう。
ここまで挙げてきた5つの理由は、すべて着服した元局長ではなく、日本海テレビや日本テレビ系列局に関するもの。「被害者は募金をした人々で、日本海テレビや日本テレビ系列局ではない」という認識でコメントしている人の声が目立ちます。
騒動が大きくなっているのは、その背景に「『24時間テレビ』は純粋なチャリティー番組ではなく、高視聴率獲得などの営利目的でもある」というイメージがあるからなのかもしれません。今回の募金着服問題は、テレビ局と視聴者の双方にあらためてチャリティー番組の難しさを感じさせるものになりそうです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
羽鳥アナも怒りをあらわに