◆安楽グッズが見当たらない
本拠地のオフィシャルショップは冬季休業中。人もまばらだった
11月28日、記者は安楽の処分が下される2日前にショップを訪れていた。店内にはレプリカユニフォームや、選手の名前入りタオル、カレンダー、プリントサインボールなどのグッズが所狭しとディスプレイされている。平日の日中にもかかわらず、田中将大、則本昂大、松井裕樹、浅村栄斗ら人気選手のグッズを手に取るファンの姿も多く見られた。
たしかに地元ファンが言うように、安楽のグッズはほとんど見当たらなかった。名前入りタオルは一軍ベンチ入りメンバーとほぼ同数の24選手分陳列されているが、そこにも安楽の名前が見当たらない。缶バッジやアクリルクリップなど一部のランダム商品に安楽グッズがあるものの、基本的には指名買いができない状況だ。
安楽といえば、2014年にドラフト1位で入団。9年間在籍し、この4年間は中継ぎの大黒柱として活躍してきた。ファンらの指摘通り、パワハラ騒動を受けて撤去したのだろうか。店員に話を聞くとこう答えた。
「安楽選手のグッズはこの店舗にはシーズン中からもともと置いていなくて……スペースが限られているので、店内に置いているのは問い合わせが多い一部の商品のみになっています」
店舗運営上の判断だったというわけだが、関東に本拠地を置く球団の職員はこう指摘する。
「これは楽天に限った話ではないですが、中継ぎ投手というのは活躍してもグッズがなかなか作られない。記念グッズについても、ホームランや完封といった試合を決めるような活躍をしないかぎり作りにくいのが実際のところです。
プロ野球選手は、肖像権に関する契約を球団と結んでいて、たとえばTシャツ1枚当たり何パーセントと細かく売り上げに対する選手への支払額が決まっている。それがシーズン終了後に振り込まれるのですが、人気選手となると年俸の3分の1くらいの金額が入ってくることも。しかし、中継ぎ投手はその半分以下と言われているんです」
チームは投手キャプテンを新設し、則本が就任するなど再び1つになるべくスタートを切った。彼らが活躍し、新しいグッズが作られることを祈るばかりだ。