日本ハム時代の2017年、多くのメジャースカウトが来日した
今オフのウィンターミーティング期間中、大谷がフロリダ州にあるブルージェイズのキャンプ施設を訪問したことが伝えられた。「日本にいる時から練習施設を重視していた」と明かすのは、2014~2015年に日本ハムで一軍打撃コーチを務めた柏原純一氏だ。
「日ハム時代も大谷は3年後、5年後、10年後を見据えて練習していた。当時、遠征先で朝の10時くらいに散歩すると、その時間から、契約している施設でウェイトトレーニングをしていた彼に出くわしたことがある。そのトレーニング施設というのも大阪、福岡、仙台、千葉、埼玉と遠征先ごとに自分で見つけて契約していました。彼にとって、それほど練習施設は大切な要素なんです」
そして柏原氏は、こうも指摘するのだ。
「彼は勝利に飢えているからね。日ハム時代も自分が投げて打たれると、周囲が驚くほど自分に対して怒っていた。それでいて、チームがチャンスになると誰よりも鼓舞するわけです。エンゼルスの6年間は、自分一人で打って投げて勝とうとしたけど、ポストシーズンに出られませんでした。メジャーでは自分一人ではどうにもならないことを痛感しているのではないかな」
そんな大谷の争奪戦には、2017年の移籍交渉で早々にフラれた球団も再び手を挙げた。それほどまでの価値を、大谷は自らの力で証明してみせた。
※週刊ポスト2023年12月22日号