最近は愛犬との2ショットも話題(インスタより)
無理して大谷を起用しない可能性
大谷がDHで結果が出ない試合が続いた時に、どうなるかという問題にも捉えられる。メジャーのホームラン王の大谷であっても、来季について言えば懸念はあるのだという。友成氏はこう続ける。
「大谷と同じ右投げ左打ちで、右肘靭帯損傷でオフにトミー・ジョン手術を受けたフィリーズのハーパーも、今季は5月頭の復帰から6月半ばのオールスターまでに3本しかホームランが打てなかった。トミー・ジョン明けは、手術痕の影響で外角低めが打ちづらいとされていますが、ハーパーもアウトコース低めが全く打てなかった。本来のペースに戻ったのはオールスター明けからです。
大谷はもともと、アウトコースのチェンジアップやカーブが得意ではないので、来季の序盤は苦戦するかもしれません。今季と比べて打者に専念できるプラス面もあるが、最初はホームランはあまり期待しないほうがいいでしょう。まだ米国では手術の影響についての情報が知られていますが、史上最高額の契約に沸く日本のほうが、結果が出なかった時の反応が心配ですね。DH候補でマンシーもいるので、成績が悪ければ無理に大谷を起用しないでしょう」
ローテーションは大谷中心になるのか
今回の契約は、選手自ら契約を破棄できるオプトアウト条項が含まれない10年契約だ。“骨を埋める覚悟”にも思えるが、再来年に投手としても復帰した後、4~5年経ってどうなっているかは、不透明な部分もある。
「ドジャースは伝統的に投手王国です。とくにメジャーの中でもドラフトと育成に長けたチームで、自前でピッチャーを育ててきた。2年に1度のペースでエース級の若手が出てきますから、4~5年後に大谷が30代半ばを迎えた頃には、サイ・ヤング賞を狙うような若手ピッチャーが複数現われるでしょう。その時に30代半ばで防御率が下がってきた大谷中心の中5日ローテーションを貫けるか、という問題が起こり得る。
二刀流の大谷が先発に加われば、先発6人が中5日で投げることになる。サイ・ヤング賞3回のクライトン・カーショウ(35)はじめ、昨年、一昨年もドジャースではマックス・シャーザー(39)、フリオ・ウリアス(27)がサイ・ヤング賞争いに加わっていましたが、そういう投手は基本的に成績を積み上げるために中4日のローテーションで回りたいわけです。カーショウは大谷が日本ハムからメジャー移籍する際に、露骨に嫌悪感を示した過去もある。さすがにわだかまりは解けているにしても、サイ・ヤング賞を狙うピッチャーは基本的に同じような考えですからね」(友成氏)