国内

【羽田空港 炎上事故】乗客乗員379人「全員脱出」情報 背景に「90秒ルール」と「重なった“不幸中の幸い”」

日航機の乗員乗客は全員脱出(時事通信フォト)

日航機の乗員乗客は全員脱出(時事通信フォト)

 元日に北陸地方を襲った大規模な地震に続いて、ショッキングな事故が起こった。1月2日17時47分ごろ、新千歳発・羽田行きの日本航空516便が羽田空港のC滑走路に着陸した直後に、機体が炎上した。着陸直後に、海上保安庁の羽田航空基地に所属するMA722固定翼機と衝突したという情報がある。

 消防車など70台以上が出動して消火活動にあたっているが、19時時点で鎮火できておらず、骨組みのようなものが見えるほどまで燃えている。

 正月のUターンラッシュであるだけに家族連れなどが数多く乗っていたことが想定され、飛行機が炎上する映像に、Xなどでは多くの心配の声があがった。

 ただ、日本航空によると、同機には乗客367人、乗員12人のあわせて379人が搭乗していたとされ、「すでに全員が脱出」という情報がある。炎上直後から脱出用シューターで乗客が脱出していた場面も見られており、スピーディーな判断と行動が最悪の事態を回避することにつながった模様だ。

 航空機事故に詳しい記者はこう解説する。

「飛行機には、非常用脱出口の“半分以下”を使って、事故が発生したら90秒以内に乗客乗員全員が脱出できるような構造でなければならないとする『90秒ルール』があります。今回の事故で脱出に何秒かかったかは事故調査委員会の調査結果を待たなければならないが、少なくとも90秒以内に脱出する訓練が功を奏したのではないか」という。

“半分以下”というのは、片側や前半分の脱出口が火災などでまったく使えないことを想定されている。今回の事故でも、少しでも判断が遅れれば逃げ場を失う可能性が高かったことは映像からも見て取れる。すばやい脱出行動が多くの人命を救ったと言えそうだ。

「事故原因は今後詳しく調査されますが、多くの“不幸中の幸い”が重なったと見られます。もし衝突直後に機体が転覆などしていたら、脱出もままならなかったかもしれません。コントロールを失って滑走路からコースアウトすれば、やはり大惨事につながる可能性がありました。さらに言えば、離陸時だったら燃料が満載ですから、もっと大きな火災につながっていたでしょう。

 まっすぐ滑って止まり、すぐに脱出と消火活動ができたことで被害が最小限にとどまったと見られます」(同前)

 一方で、海上保安庁の飛行機に乗っていたのは6人で、このうち5人の死亡が確認された。海保の飛行機は北陸地方の地震の対応で新潟への物資搬送途中だったという。

情報提供募集

「NEWSポストセブン」では、情報・タレコミを募集しています。情報提供フォームまたは、下記の「公式X(旧ツイッター)」のDMまで情報をお寄せください。

・情報提供フォーム:https://www.news-postseven.com/information

X(ツイッター)DMは@news_postsevenまでお送りください!

消火活動が迅速に行われた(時事通信フォト)

消火活動が迅速に行われた(時事通信フォト)

炎上する日航機(時事通信フォト)

炎上する日航機(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン