「華やかな雰囲気の生徒が多く、地元では“あそこのキャンパスは毎日がファッションショー”と言われていました。一方で、スナックなどでアルバイトをすると即退学と言われ、ジーンズ登校や喫煙が禁止されているなど、お嬢様学校らしく規律はけっこう厳しめ。活水の学生だと言うと、長崎の男性は目の色が変わるほどの“ブランド”です。
鳥取さんはそんな活水女子短大の英文科出身で、学生時代はバレーボール部に所属していました」(鳥取氏を知る地元関係者)
1980年代当時、CAは女子学生が憧れる花形の職業だった。ちょうどドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系、1983年10月~1984年3月)が放送されていたのと同時期に鳥取氏は就職活動をしていた。
「鳥取さんはもともと全く異なる企業を志望していましたが、面接を受けるために利用した飛行機でCAの仕事ぶりに心を動かされたことをきっかけに、CA志望になったそうです。
多忙な仕事をこなしながら、ステイ先でもテニスやグルメや地元のコンサートを楽しみ、とにかくバイタリティにあふれた方という印象です。機内での一期一会の出会いを大切にしており、『ちょっと怖そうなお客様がサービスに笑顔を見せてくれると、“この仕事っていいな”と感じる』と話していました」(前出・鳥取氏を知る地元関係者)
コロナ禍でフライトが激減した際は、CAらのモチベーション維持と新たな知見を得させるべく、官公庁や企業などへの出向を進めるという大胆な施策でも注目を集めた。
専務時代、鳥取氏は“多様性を重んじた組織づくり”への考えをこのように語っている。
〈女性の活躍を増やすには、本人が仕事にやりがいを見いだせるかどうかが鍵になります。出産や育児のために休職した後、職場に戻りやすい環境や制度の整備も重要です。
それには、職場の同僚や上司、経営トップの理解が不可欠です。これは女性に限らず、一度退職した社員や、持病や障がいのある社員など、あらゆる社員に共通する課題です〉(2021年11月に掲載された『日経ESG』のインタビューより)
バイタリティあふれる初の女性社長が、日本の空に変革をもたらしそうだ。