選手交代の疑問をハッキリと口に
後半16分、森保一監督が浅野と久保を下げると、松木氏はため息まじりに話した。
松木氏:久保くんか。そうか。うん……。浅野もね、まだいけたと思うんだな。2人。あのスピード嫌がってたからね。向こうのストッパーがね。
“応援団長”とも言われる松木氏だが、日本代表のサッカー全てを肯定しているわけではない。このように選手交代の疑問をハッキリと口にしている。この直後、日本は伊東のドリブル突破を起点にチャンスを作った。松木氏の言う通り、スピードは大きな武器となっていた。
後半29分、左サイドの伊東に代わって同じく俊足のFW前田大然が投入される。0対2のまま終盤を迎え、イラクが自陣ゴール前に人数を割くと、松木氏はこう提言した。
【後半32分43秒】
松木氏:イラクのディフェンスがブロックを作ってるんで、僕が思うには、真ん中の選手を1回外に開かせて、開いたところに誰か入るっていうね。となると、前田大然はもうスピードもあるし、運動量もあるんで、真ん中でホントにダミーにね、サイドに散らしていって、そこに、間に誰かが入っていくっていうね。そのスペース作りを前田にやらせたらいいんじゃないかなと思うね。
この後も再三再四、同じような指摘をした。そして、イラクのDFナティクが足を痛めると、すかさずこう言った。
【後半39分26秒】
アナ:もう(イラクは交代枠の)5人使ってますからね。
松木氏:あれですよ、(左サイドの)前田をツートップ気味にしたら。4番動けないんだったら。
アディショナルタイムに入っても「前田大然、どうだろう。もう真ん中にね、(FW)上田の近くでいいんじゃないかな」と提案したが、基本的に前田は左サイドのままだった。