否定したままで終わらないのも、大谷の守り方だ。以前から水原氏の存在は注目されてきたが、大谷の「報道否定」以降、その存在に再びスポットライトが当たった。冒頭のファン感謝イベントでは、大谷のトークショーで水原氏に対する質問も飛んだ。
「リポーターから“一平との関係は?”と聞かれた大谷選手は、いたずらな笑みを浮かべながら“ビジネスの関係なので、友達ではないです。割り切ってつきあっています”と答え、会場が笑いに包まれました。自分が怒りの態度を示したままだと、水原氏がやりにくいと考えた大谷選手なりのジョークだったようです」(別の在米ジャーナリスト)
水原氏はもともと、大谷が在籍していた北海道日本ハムファイターズの球団通訳を務めていたが、2017年オフに大谷がメジャーに移籍するタイミングで専属通訳として共に海を渡った。
「初めての環境に飛び込んだ大谷選手にとって、ロサンゼルス育ちの水原氏の存在は心強かったと思います。水原氏は通訳の仕事はもちろん、運転手や練習相手を務めるなど、公私にわたり大谷選手をサポートしている。水原氏の献身があったからこそ、大谷選手はメジャーで成功をつかむことができたともいえます。2018年に水原氏が結婚した際、大谷選手は感謝を込めて新婚旅行用の“旅行パック”をプレゼントしました」(別のスポーツ紙記者)
大谷の“ファミリー”を守る行動は、いまに始まったことではない。甲子園を目指した最後の夏、大谷が在籍した花巻東高校は岩手県大会で決勝戦にまで駒を進めるも、3対5で敗退。あと一歩のところで甲子園出場を逃した。
「花巻東に得点のチャンスが少なくなかったことで、敗因としてバッティングの力不足を指摘する声もありました。ですが先発ピッチャーとして出場した大谷選手は、試合後のインタビューで“先に点をとられて”“自分のせいで負けた”と言い切ったんです。敗戦の責任がすべて自分にあると話したのは、チームメートに批判の矛先が向くのを避ける目的もあったのでしょう」(前出・別のスポーツ紙記者)
昨年9月に右肘を手術した大谷は、今シーズンは二刀流を封印して打者に専念する。ファン感謝祭で大谷は現状について、「バッティングの状態は100%に近く、開幕(3月20日)に間に合う手応えを感じている」と力強く明かした。ファミリーともども、視界は良好だ。
※女性セブン2024年2月22日号