南美希子(みなみ・みきこ)/1956年生まれ、東京都出身。1977年にテレビ朝日入社。『23時ショー』や『トゥナイト』、『OH!エルくらぶ』に出演し、1986年にフリー転身
乱:その後が僕で、最初はナレーターで入ったんです。初回が、雪野ちゃんのスキー場ロケだったのを憶えています。
南:雪野っていうとセパレート水着でプールに飛び込んでいた印象がある。あの頃、女性アナウンサーは業務命令で水着を着てたんですよ。今では各局禁止ですけれど。
雪野:私の時代はもう禁止になっていたと思います。なのに私だけずっと着せられてた。そんな『トゥナイト』でも実は、頭の10分くらい「ホットアングル」というコーナーがあって、田原総一朗さんが政治を、野村克也さんや江夏豊さんがスポーツを語っていらしたんです。あと、酔っぱらった東尾修さんも。
乱:東尾さんは撮影前に銀座で飲んでいて、そのままスタジオに来ていた。終わったらまた銀座に戻って行かれました(笑)。
南:力士の荒勢さんが旅館の女将さんと温泉に入るコーナーもあった。で、木曜日は……。
夜中の12時に瞬間最高視聴率23%超え
雪野:山本晋也監督の担当で、歌舞伎町に行ったりするエッチな回と社会ネタの回を交互にやっていたんですよ。
乱:バブルの頃だったから、視聴者がとにかく最新情報を欲していたんです。あの頃は『トゥナイト』でバブリーでセクシーな最新情報を得るという……。今の中学生が段階を踏まずに、ネットでエッチなビデオを見られてしまうのとは大きな違いがありましたよね。
南:人間にとって、生きる上でエロスは活力になるじゃないですか。ノーパン喫茶なんて、なかなか摘発できないグレーなところで人間の欲望をそそった大発明だったと思うんです。「昨日のアレ、すごかったよね?」とかみんなでエロスを共有できていたけれど、今は孤食ならぬ“孤エロ”になって共通言語がない。