スポーツ

【短期免許で5人が来日】先入観のない外国人騎手に騎乗依頼する思惑

短期免許の外国人騎手に騎乗依頼するとき、蛯名正義氏は何を考えるのか

短期免許の外国人騎手に騎乗依頼するとき、蛯名正義氏は何を考えるのか

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、短期免許で来日する外国人騎手についてお届けする。

 * * *
 2024年1月からの開催では5人の外国人騎手がJRAでの短期免許を取得しました。うち4人は初の短期免許、もちろんそれぞれの国ではリーディング上位でGIを勝っているような実力者ばかりですが、ムーア騎手やレーン騎手など日本のGIシーズンに合わせて来日する騎手と違って、あまりなじみがなかったのではないでしょうか。

 僕の厩舎ではこの4人全員に乗ってもらって、ルメートル騎手がジャンヌローサで新馬勝ち、女性のキング騎手がインスタキングで特別レースを勝ってくれました。

 キング騎手はイギリス生まれだけど、オーストラリアを拠点にしていて昨シーズンは31勝でオーストラリアNSW地区のリーディング12位ながら、GIを3勝しています。短期免許の騎手は女性でも減量特典がありませんが、3月3日の最終日までに重賞2勝を含む16勝をあげたのだから、すごいですね。トップクラスとは力差があるのかもしれませんが、乗り方を見ていると、いつもしっかり追ってくる印象でした。

 競馬場で初めて会いましたけど、女性ながらに逞しい体格でした。インスタキングはそれほどクセのある馬ではないので、レース前の打ち合わせでは、2、3番手につけて最後で抜け出すのがいいと思って、そういうニュアンスを伝えました。

 返し馬の時に3コーナー近くまで止まらないで行ってしまったので、レースでどうなるかと思って見ていたら、なんとスタートからグイグイ馬の行く気にまかせてハナを切ってしまった。実をいうと「あーあ、行っちゃったよ!」と思って半分諦めてましたよ(笑)。

 でも、湿っていて前が残るような馬場だったのと、馬の具合がよくなってきていたことで、逃げ切ってくれました。道中はヒヤリとしましたが、結果オーライです。

 外国人騎手に乗ってもらうと、勝ち負けはもちろん、その馬にどのくらい能力があるのかなど、次のステップに行くときのヒントにしやすいということがあります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト