坂本さんの日記やプライベートフィルムも公開された
2か月に及ぶ入院生活を経て退院するも、その後に新たな肺への転移や合併症が生じて入退院を繰り返した。過酷な闘病生活の中、坂本さんは日記に「焦るな!」「野生の力を漲らせろ!」などと自らを鼓舞する言葉を書き綴った。
2022年10月には「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」のメンバー・高橋幸宏さん(享年70)の軽井沢の自宅に病を押して訪れた。脳腫瘍を患った高橋さんは体調不良で直前に入院しておりニアミスで対面が叶わず、坂本さんは盟友に向けてこんな激励メッセージを残した。
《高橋幸宏さま 生き直そう。坂本龍一》
だが高橋さんは2023年1月に逝去。そのおよそ2か月後、息苦しさを訴えて入院した坂本さんは自らの死期を悟り、延命治療をあきらめ主治医に緩和ケアを依頼した。死の3日前には、4人の子供のうち海外に住む長男を除く3人とひとりずつ対面して別れを告げた。このとき、次女で歌手の坂本美雨(43才)にはこう語りかけたという。
「いい人生だった」
“教授”の最期の日々を追いかけた衝撃の番組について、ある芸能関係者が語る。
「YMOや環境問題などで知的かつクールに活動した姿とは程遠く、闘病の痛々しい姿や亡くなる寸前の生々しい映像にショックを受けた視聴者は少なくありません。再放送が急きょ休止になったのは、“こんな映像を流していいのか”というファンの声を聞いた遺族がストップをかけたからだとも囁かれました」
「むげにできない。やっぱり切れない」
番組の中でも多くの時間を割いて紹介されたのは、坂本さんが最後まで気にかけていた「東北ユースオーケストラ(TYO)」のことだった。