国際情報

《ハマス「休戦案受け入れ」はパフォーマンスか》イスラエル・ネタニヤフ首相が見据える「トランプ大統領復活」の追い風

イスラエル・ネタニヤフ首相とハマス戦闘員(時事通信)

イスラエル・ネタニヤフ首相とハマス戦闘員(時事通信)

 休戦案をめぐり、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で交渉が続くなか、双方で動きがあった。泥沼化する戦況に変化が起きるのか。元TBSアナウンサーで元駐イスラエル日本大使を夫に持つ、ジャーナリストの松富かおり氏が最新の中東情勢をリポートする。

 * * *
 パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の一時停止とイスラエル人人質の解放にむけた交渉で、イスラム組織ハマスは5月6日、カタールとエジプトの仲介役に対し停戦案を受け入れると発表した。一時的に休戦への期待も高まったが、内容をよく見ると、ハマスが「受け入れる」とした案は、42日間の休戦を実施し、最終的にイスラエルによるガザ封鎖の解除を求めるというものだ。『恒久的な停戦』のほか、『イスラエル軍のガザからの完全撤退』も含む。これではイスラエルは受け入れられず、ハマスの世界に向けてのパフォーマンスと言われても仕方がない。

 イスラエルは一時、「40日間の休戦と引き換えに人質33人を解放する案」で休戦に応じようとしていた。しかし、ハマスが応じると発表した「休戦案」は、これとは距離がありすぎた。さらに人質解放に向けても、全体的な展望は示されていない。

 ハマス側は様々な過激派分子が100人を超える人質を拉致しているうえ、最高指導者ハニヤ氏は全ての過激派分子を統率できていない。イスラエルからすれば、仮に休戦案が合意に至っても、人質が全て解放される保証はないのだ。

 イスラエルは、今回のハマスの「休戦案受け入れ表明」自体を「世界にイスラエルが悪者である」という印象を広げるプロパガンダのひとつであり、「『時間稼ぎ』にすぎない」と見ている。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン