「うずらの挽肉」には豚肉の挽肉を使用
「これも実際にはうずらの挽肉は使用せず、豚の挽肉に甜面醤、豆板醤、ニンニク、ショウガを混ぜて炒めています。そこに腸詰とタケノコとしいたけを細かく切って、合わせて炒め、仕上げます。
人気メニューのひとつですが、うずらを食べたことがある人は少ないので、誰も豚肉を使用しているとは気づきません。何も知らないお客さんが『周さん、これ、おいいしいわね!』と喜んでいる姿を何度も見てきましたが、お客さんのことを馬鹿にしていますし、こんなことをさせられている自分自身もやりきれない思いでした」
Aさんが続ける。
「ほかにも高級食材の『花椎茸』も使用しているのは一般に売られている『干ししいたけ』で、偽装メニューは数えきれません。中華料理は高温の油でカリっと揚げたり、あんかけを使うなかで、鍋使いの技術が多く用いられているので、うまくごまかせてしまうんです」
なぜ、富輝氏はメニュー偽装を行っているのか。
「高価なメニューほど安価な代替の材料を使用すると、利幅が大きくなります。多くの不動産を所有する富輝社長は、お客様を欺いて私腹を肥やしていたと思われても仕方ありません。お客様はもちろん、従業員たちも被害者です。少なくとも私は胸を張って自分のことを『料理人』とは言えませんでした」
