国内

大阪万博メイン会場「夢洲2区」の安全性への懸念 万博協会のメタンガス発生に関する説明には大きな矛盾、次なる爆発事故のリスクも

対策は万全なのか(万博協会が公開した爆発事故現場の様子)

対策は万全なのか(万博協会が公開した爆発事故現場の様子)

 大阪万博の会場予定地で起きた爆発事故──吉村洋文・府知事らは“もう起きない”と強調するが、取材でさらなるリスクが判明した。

 事故が起きたのは3月28日、万博の屋外広場併設のトイレの建設現場だ。広場や交通ターミナルとなる埋め立て地「夢洲1区」は廃棄物が埋められ、溶接作業の火花が地中から発生したメタンガスに引火したと発表された。

 懸念されるのは万博のメイン会場で、パビリオンが建設される「夢洲2区」の安全性だ。

 吉村知事は事故後、「パビリオンが建っているところは、下に埋まっているのは土砂ですので、そういったガスが出ない」(4月13日の読売テレビ『ウェークアップ』)と強調。万博協会も夢洲1区以外でメタンガスは発生していないと発表した。

 ところが、事実は違っていた。夢洲の埋め立て地を管理してきた大阪広域環境施設組合の関係者が語る。

「夢洲2区は川底の汚泥、ヘドロなどの浚渫残土で埋め立てられています。汚泥が発酵するので当然メタンガスは発生する」

 事実、大阪港湾局が令和4年1月に作成した「臨港鉄道整備事業」の説明資料には、〈(夢洲2区にある)シールド掘進範囲の地中にメタンガスの存在が明らかとなり、シールド工法設備を防爆対策とする必要性が判明〉とある。大阪港湾局の担当者もこう話す。

「トンネル工事の事前調査でメタンガスが見つかったことは大阪市議会で報告され、防爆対策措置の予算が計上されているため、(万博協会がメタンガス検出について知っていることは)明らかであるという認識です」

 万博協会は5月30日になって突然、ホームページで、「パビリオン工区(夢洲2区)の4カ所で低濃度のメタンガスが検出された」と発表したのだ。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン