ライフ

福岡の伝統工芸「博多織」を取り入れたバッグ 柄には家内安全・無病息災・厄除け・子孫繁栄の祈りが込められている

日本の織物の歴史と技術を尊重しつつ現代のライフスタイルに調和したバッグなどを生み出す「yuEN」

日本の織物の歴史と技術を尊重しつつ現代のライフスタイルに調和したバッグなどを生み出す「yuEN」

 日本の伝統的な織物の歴史と技術を尊重しながら、現代のライフスタイルに調和した雑貨やバッグなどを生み出すブランド「yuEN」。このネーミングには、「縁を通じて、伝統を次世代へ継いでいく」という思いがあるという。

「yuEN」代表の石井秀人さんは30年間、雑貨小物パーツを扱う仕事に従事していたが、伝統織物と出会ったのを機に独立。全国25か所の織元とのつながりを構築した製品作りをスタートさせた。

 その第1弾が2023年11月に誕生した「HAKATAPOP!」シリーズだ。800年の歴史を誇る福岡県の伝統工芸・博多織をバッグなどのデザインに取り入れた。

「江戸時代、筑前国福岡藩の初代藩主だった黒田長政が博多織を幕府に献上していたため『献上柄』と呼ばれています。

 この柄には、家内安全・無病息災・厄除け・子孫繁栄といった祈りが込められています」(石井さん・以下同)

 織物を使ったバッグと聞くと和装用をイメージするが、デザインはそれを覆す斬新なものだ。

「時代に即した新しい博多織を創り出している『サヌイ織物』(福岡市西区)さんとタッグを組み、帯などで使われるスタンダードな柄ではなく、献上柄のモチーフである“独鈷・華皿・縞”を配した紋様を縦横交互に並べ、格子柄にしています(掲載写真参照)。かつ、その柄を全面に使用するのではなく、落ち着いたトーンでアクセントとして取り入れました」

 結果、モノグラム柄のようなモダンなデザインが実現した。そして、バッグ本体は上質な牛革を使用し、国内の工場で製造している。

 今回紹介するのは、マチが12cmあり、収納力のある「トートバッグ」、A4サイズの書類や14インチまでのノートパソコンが収まる、ショルダーストラップ付きの「フラットトートバッグ」、スマホや財布などを入れるのにちょうどいい大きさの「クロスボディバッグ」だ。

 カラーバリエーションは、落ち着いたブラックをはじめ、オレンジ、グリーン、ラベンダー、ライトブルー、イエローなど、ポップでカラフルな色の組み合わせが楽しく、コーディネートのポイントとなる。

「和装はもちろん、Tシャツにジーンズなどカジュアルなスタイルにも対応します」

 同シリーズはほかに、スカーフやバケットショルダーバッグなども展開している。

「これからも伝統工芸の魅力を発信し、歴史や文化をつなげていきたいと思っています」

【商品DATA】
『yuEN First Series HAKATAPOP!』/yuEN

写真左『VERTICAL TOTE BAG』5万7200円
サイズ/高さ35×幅28×マチ12cm、持ち手高さ/20cm、重量/680g

中央『CROSS BODY BAG』4万6200円
サイズ/高さ11×幅19×マチ6cm、ショルダーストラップ/102~116cm、重量/350g

右『FLAT TOTE BAG』5万2800円
サイズ/高さ35×幅31×マチ1cm、持ち手高さ/10cm、ショルダーストラップ/102~110cm、重量/700g

取材・文/藤岡加奈子 商品撮影/浅野剛

※女性セブン2024年7月4日号

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン