柴又帝釈天の参道を歩いて、支持を訴える清水国明氏と安野貴博氏。見知らぬ人に声をあけるのが不慣れな安野氏のため、清水氏が助け舟を出すことも(2024年6月撮影:小川裕夫)

柴又帝釈天の参道を歩いて、支持を訴える清水国明氏と安野貴博氏。見知らぬ人に声をかけるのが不慣れな安野氏のため、清水氏が助け舟を出すことも(2024年6月撮影:小川裕夫)

 また、二人は合同演説会終了後に駅から柴又帝釈天までの参道を歩きながら支持を呼びかけた。清水はタレントの立ち振る舞いが板についており、道ゆく人に声をかけて率先して握手をして回っていた。

 一方、安野は選挙活動に不慣れなこともあって、自分から有権者に対して積極的に握手を求めることができずにいた。そんな様子を見て、清水が「こちらは都知事候補の安野さん」といった具合に参道を歩く人たちに紹介するなど、助け舟を出していた。

 この合同演説会は清水から安野へと打診したことで実現したものだが、二人が急接近した経緯は、安野が街頭演説の時間と場所をグループLINEで各陣営のスケジュールを共有しようと呼びかけたことだった。

 安野が他陣営にグループLINEでスケジュール共有を呼びかけたのは、課題解決にIT技術を活かすという彼らしい理由がある。それは、渋谷駅で街頭演説を予定していたにも関わらず、ほかの陣営とスケジュールが重複したことで安野陣営が急に予定を変更しなければならない事態に陥ったからだ。

 この経験を機に、街頭演説のスケジュールを各陣営間で共有することを提案。AIエンジニアでもある安野にとってグループLINEで街頭演説の日程を共有することは朝飯前だが、残念ながらこの呼びかけに応じたのは清水だけだった。

 街頭演説のスケジュールは支援者との関係で回る場所や日時を調整する必要があり、また候補者の票田がどの地域にあるのか、逆にどのエリアが弱いのか、今後はどこで重点的に活動をしていくのか、〇〇駅で演説するなら、誰を応援弁士に呼ぶことが効果的だ、といった選挙戦術にも関わる。

 街頭演説のスケジュールを陣営間で共有することは、他陣営に手の内を公開するということでもある。それは選挙戦において機密事項ともいえる情報なので、通常では他陣営と共有するなどあり得ない。

 なにより4月に実施された東京15区補選では、つばさの党による他候補への突撃行為が発生し逮捕者まで出ている。東京15区補選の記憶が新しいだけに、街頭演説を妨害されることは避けたい。だから街頭演説の日程を漏らしたくないと考える陣営があることも理解できる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン