自民党から2022年の参院選に出馬した生稲晃子氏(2022年7月撮影:小川裕夫)
批判が集まりやすいタレント候補
清水は、長年にわたって華やかな芸能界で活躍してきた。そのため、タレント候補と目される向きも強い。お茶の間に顔を知られるタレント候補は、政治経験がなくても票を入れてもらえる。ゆえに、「政治を知らなくても、知名度だけで選挙に勝つ」と批判されることもある。
例えば、2022年の参院選では元おニャン子クラブのメンバーだった生稲晃子氏が、2019年の参院選では元モーニング娘。のメンバーだった市井紗耶香氏が、2016年の参院選では元SPEEDのメンバーだった今井絵理子氏が立候補して、いずれも大きな注目を集めた。と同時に世間からは、タレント候補批判の洗礼を受けている。
報道バラエティ番組「噂の!東京マガジン」(TBS系)のレポーターを30年以上務めた清水は、問題が発生している現場に何回も足を運んだ経験を有する。それはテレビでの仕事でもあるが、その経験から社会問題に意識が向くようになり、仕事を離れて大規模災害の被災地にも足を運んで復興支援に取り組むようになった。当然ながら、2024年1月1日に発生した能登半島地震の現場にも繰り返し足を運んでいる。
阪神・淡路大震災の頃から何度も、いくつもの被災地の状況を自分の目で見てきた。そうして首都・東京は、災害に対しての備えが不十分だと実感。街頭演説では、東京での防災の必要性を訴えていた。
「災害が起きてそこへ行くと、いつも同じ事が起きている。避難所に人を押し込めて何日もそこで生活することになり、災害難民が発生する。もし東京で災害が起きたら、おそらく一番、最悪な避難所になってしまう」
取材というかたちで様々な問題解決を行政に働きかけてきたが、なかなか動かない。それなら自分が内側から変えてみたいと、今回の都知事選への立候補につながった。この立候補は独りよがりに決めたわけではなく、2024年の初め頃から都知事選へ出馬することを周囲に相談していた。このとき、同じく今回の都知事選に出馬した石丸伸二にも事前に相談を持ちかけた。当時、石丸は広島県安芸高田市の市長で、都知事選へ立候補するといった話は出ず、出馬を促されつつ応援してもらうとの約束を取り交わしている。
