今やタレント議員の代表的存在となっている今井絵理子氏。自民党から2016年の参院選に出馬し、2022年に再選を果たした(2022年6月撮影:小川裕夫)

今やタレント議員の代表的存在となっている今井絵理子氏。自民党から2016年の参院選に出馬し、2022年に再選を果たした(2022年6月撮影:小川裕夫)

 街頭演説のスケジュールを陣営間で共有するという提案は実現しなかったが、安野の提案に清水だけが応じ、それからとんとん拍子で合同街頭演説会が実現した。

 その後、清水は復興支援のために能登へと向かい東京を不在にしたが、7月2日にニコニコ動画が主催した「【東京都知事選2024】ネット演説」で安野に能登から動画の応援メッセージを寄せている。

 都知事選の当選者は一人しかいない。本来、清水にとって安野は、安野にとって清水は打ち負かさなければならない対立候補になるが、そうした対立構造を超えて両候補は協力・共闘するという新しい選挙スタイルを生み出した。

 非主要候補の動向は報じられにくいが、清水と安野のような候補者同士による協力・連携・共闘という新しい選挙スタイルが今後は広まっていくかもしれない。そして、それは有権者にとっても選挙の判断基準が増えるという意味で有益といえるだろう。

 そういった意味から考えても、清水国明と安野貴博の二人が都知事選に出馬したことには大きな意味があった。

(文中一部敬称略)

立憲民主党から2019年の参院選に出馬した市井紗耶香氏は落選。2024年4月に須藤元気氏が参議院議員を退職したため繰り上げ当選したが、辞退した(2019年7月撮影:小川裕夫)

立憲民主党から2019年の参院選に出馬した市井紗耶香氏は落選。2024年4月に須藤元気氏が参議院議員を退職したため繰り上げ当選したが、辞退した(2019年7月撮影:小川裕夫)

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