次男の池内万平氏(左)と伊丹プロダクション会長の玉置泰氏(右)

次男の池内万平氏(左)と伊丹プロダクション会長の玉置泰氏(右)

伊丹作品を「非配信」で貫く理由

 創作の自由を手放さない立場を維持しただけでも驚異的だが、伊丹映画の魅力はその多様で新奇なテーマ性にもある。入念に取材を重ね自らシナリオも書いた伊丹の原動力について、現在、伊丹プロダクションの代表取締役社長を務める次男・池内万平氏が語る。

「要は“好奇心の人”なんでしょうね。新しいものが好きでしたし、常にいま何が起こっているのかに注目している人だったと思います。よく母も世間話で『父ちゃんだったら絶対映画にしてたわね』みたいなことを言うんですが、いまだったらコロナやオリンピックのごたごたは映画にしたかもしれない。絶対ワクチンに詳しくなったはず(笑)。『マルサの女』のときは、中学生の自分に間接税がどうこうみたいな話を延々としていましたから。まだ消費税も始まってない頃ですよ」

 伊丹プロダクションのように監督作すべての権利を自分たちで有しているのもまれだろう。玉置氏は、いまや全盛となった動画配信サービスに伊丹映画がない理由も教えてくれた。

「僕らからすると、配信は映画の“垂れ流し”に近いんです。洪水のように作品があって、ものすごい量の選択肢。観るほうは便利かもしれないけど、その中から選ばれなければいけない。そうじゃない、もっと大事に1本1本を観てもらえるような形の配信があれば、それは考えていきたいです。また配信の次の時代に変わる可能性もある。だから慌てる必要もないのかなと思っています」

 作品の送り手として深く考えた結果だった。10本もの映画を遺した伊丹だが、今後、新作が作られることはない。だからこそ“品位”を保つべく、あえて配信には“乗らない”。こうしたブランディングも、伊丹プロダクションが10本すべての権利を握っているから実現できたこと。

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
レッドカーペット大谷夫妻 米大リーグ・大谷  米大リーグのオールスター戦で、試合前恒例行事のレッドカーペットショーに参加したドジャース・大谷翔平と妻真美子さん=15日、アトランタ(共同)
《ピーチドレスの真美子さん》「妻に合わせて僕が選んだ」大谷翔平の胸元に光る“蜂の巣ジュエリー”と“夫婦リンクコーデ”から浮かび上がる「家族への深い愛」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン