芸能

《私の最初の晩餐》奥田瑛二が忘れられない味 年2回だけのご馳走「ライスカレー」と「豚肉とごぼうのみそ汁」

奥田瑛二心の支えになった母のご馳走とは

奥田瑛二心の支えになった母のご馳走とは

「最初に食べたご馳走はなんですか?」。子供の頃に母が作ってくれた料理、上京したときのレストラン、初任給で行った高級店……。著名人の記憶に刻まれている「初めて食べた忘れられない味」を語ってもらい、証言をもとに料理を再現するこの企画。

 トレンディードラマへの出演でお茶の間を沸かせながら、映画『海と毒薬』をはじめとした熊井啓監督作で、海外にもその名をとどろかせた奥田瑛二さん。役者としてだけでなく、自らメガホンを取った映画『長い散歩』では、モントリオール世界映画祭グランプリを受賞するなど、多岐にわたって活躍している。そんな彼の心の支えになった母のご馳走に隠された、驚きの秘密とは? 奥田さんが忘れられないご馳走を振り返ります。

 * * *
 誕生日も血液型も同じ年子の姉がいたので、ぼくは幼い頃からお姉ちゃん子で、それ以上にお母ちゃん子でした。遊ぶときには、お姉ちゃんのスカートの裾を握りしめてくっついて回り、学校から帰ったら「お母ちゃんはどこにおる!」の大騒ぎ。

 両親は、自宅の1階で小さな氷屋と喫茶店を営んでいたので、家は賑やかでした。住み込みのウエーターさんもいたし、営業が終わると、地元の青年会議所のメンバーたちがやってきて酒を片手に議論したり。親父も議論に参加していて、おふくろは皆につまみを作り続けていました。

 貧しさは感じていませんでしたが、裕福でないことは子供にもわかります。姉とぼくは生家で育ちましたが、4つ下の弟は祖母の家で暮らしていました。家の前の肉屋でおふくろが買うのは基本的にかしわ(鶏肉)、たまにコロッケ。初めて牛肉を食べたのは、親父が新たに始めた不動産業が軌道に乗った小学5年生のときでした。

 物心ついた頃から、姉と2人で楽しみにしていたのが、年に2回だけのライスカレーです。3月18日の誕生日とクリスマスだけのご馳走。茶碗にご飯をぎっしり詰めて、皿の上にひっくり返してポン。丸いご飯に半分だけかかるように、黄色いカレーをとろり。

関連記事

トピックス

現地取材でわかった容疑者の素顔とは──(勤務先ホームページ/共同通信)
【伊万里市強盗殺人事件】同僚が証言するダム・ズイ・カン容疑者の素顔「無口でかなり大人しく、勤務態度はマジメ」「勤務外では釣りや家庭菜園の活動も」
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
フランクリン・D・ルーズベルト元大統領(写真中央)
【佐藤優氏×片山杜秀氏・知の巨人対談「昭和100年史」】戦後の日米関係を形作った「占領軍による統治」と「安保闘争」を振り返る
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン