ライフ

サンダル感覚で日常使いが可能“ジーンズにも合うヒールのある下駄” 鼻緒の内側にクッション材、底には合成ゴム使用で“独特な音がしない”

日常使いできる下駄「hitete」

日常使いできる下駄「hitete」

 1937年創業の下駄メーカー「水鳥工業」が展開する下駄ブランド「mizutori」。今回紹介する「hitete」シリーズは、サンダル感覚で日常使いできる「ジーンズにも合うヒールのある下駄」だ。製品はすべて、静岡市の自社工場で製造している。

「木地(台)は、足指をのせる部分と、土踏まず部分にオリジナルのくぼみをつけています。これにより足を入れると足裏に吸い付くようにフィットします」(同社企画・広報担当の山内久実さん・以下同)

 かつて靴の中底加工も行っていた水鳥工業は、その知識と技術を木地に注ぎ込んだ。さらに──。

「親指と人差し指で挟む前坪と、鼻緒の内側にはウレタン素材のクッション材を内蔵しているので、足当たりの柔らかさを感じていただけます」

 履き心地を左右するのは、鼻緒を挿げる作業だ。木地に足型を合わせ、これに鼻緒を沿わせながら適正なサイズになるよう調整し、鋲で留める。この手作業で行う職人技により、足へのなじみ方が変わるという。

 また、鼻緒は約4cmと幅広で、足の甲をしっかりと包み込んでくれる。

 鼻緒のデザイン性の高さも本製品の魅力だ。

履き心地を追求

履き心地を追求

「遠州綿紬やお茶染めなど地元・静岡の作家さんの作品を中心に、さまざまな伝統織物や畳縁などを手掛けている全国の工房やデザイナーとコラボレーションすることにより、現代のファッションやライフスタイルに合うデザインを生み出しています」

 木地は耐久性に優れ、木目の表情が豊かなマホガニーやサペリ(センダン科の広葉樹。高級家具や外装材、内装材などに多く用いられている)を使用。天然木は色味や木目が一つひとつ異なるため、「出合った“木”に愛着を感じ、履き続けたくなる」という声も多い。そのため、鼻緒の交換や木地の補修も行っている(底ゴム交換と鼻緒付け替え6600円〜、木地欠けや底木地削れの修理1980円〜)。

 底には合成ゴムを使っており、カランコロンといった独特の音はしない。ゴム底は街の修理店で手軽にお直しができるのでありがたい。定期的なメンテナンスにより、10年以上愛用している人も少なくないという。

 加えて、健康効果も期待できる。同社と静岡大学による共同実験では、下駄を履くことにより「足裏の血流循環の改善」「浮き指の解消」といったプラスの影響が期待できると報告されている。毎日履きたくなる一足となりそうだ。

ジーンズにも合うデザイン

ジーンズにも合うデザイン

【商品DATA】
『hitete』/水鳥工業/1万5180円〜
サイズ/SS(約21〜21.5cm)、S(約22〜22.5cm)、M(約23〜23.5cm)、L(約24〜24.5cm)、LL(約25〜25.5cm)
重量/約380〜550g
素材/天然木
ヒールの高さ/約4.5cm、6.5cm

取材・文/藤岡加奈子

※女性セブン2024年8月8・15日号

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン