「最後の戦い」と位置付ける石破茂元幹事長(時事通信フォト)

今回が「最後の戦い」と位置付ける(時事通信フォト)

「党員人気」が生まれる理由

 一方で、党員票を集めているのは石破氏のオタク気質による奇妙なパフォーマンスに拠るところもあるだろう。2018年の総裁選があった年には、人気漫画『ドラゴンボール』に登場するキャラクター「魔人ブウ」のコスプレ姿を披露し、耳目をひいた。

「体格は変にマッチするし、“トラウマレベル”の完成度で、党内だけでなく大きな話題となりました」(大手紙政治部記者)。しかし、当時の安倍晋三首相の3選を阻むことは叶わなかった。

「魔人ブウ」から6年を経て、今年の総裁選の直前には東京都葛飾区の柴又帝釈天の商店街を訪れ、義理と人情を大切にするキャラクターとして知られる映画『男はつらいよ』の寅さんに扮し、街を練り歩いた。これまでの“不義理”の数々を悔い改めたというアピールなのだろうか。

 そして、石破氏はこれが「最後の戦い」と意気込むだけに、石破氏を蛇蝎のごとく嫌っている麻生氏にも「頭を下げる覚悟」と伝えられているが、石破氏の姿勢に変化はあったのか。

「石破氏は今年7月に菅義偉前首相と、菅氏に近い武田良太元総務相と会食している。その際に『(支援を)お願いします』と頭を下げればよかったのだが、延々と政策の話をしたようだ。結局、菅氏と武田氏は小泉進次郎元環境相についた。石破氏は何も変わっていないのではないか」(前出・政治部記者)

 最後の戦いの結果はいかに。

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