車椅子のまま移動する西田敏行(2021年)

車椅子のまま移動する西田さん(2021年)

杖と車椅子がないと外出できない

『ドクターX』は、2012年にシーズン1が放送されて以来、常に高視聴率をたたき出し、これまで7シーズンが放送されている。

 西田が演じるのは、大学病院の院長代理。米倉演じる大門未知子の前に立ちはだかる悪徳医師だが、部下たちや米倉とのコミカルな掛け合いは定評があり、ドラマの見どころのひとつになっている。

 ところが西田は、冒頭のファンミーティングにはVTRでの出演となり、実際に登壇することはなかった。背景には満身創痍とも言える西田の体調があった。

 西田は2001年11月、首の骨が変形して手足のしびれが起こる頸椎症性脊髄症の手術を受けた。その後2003年3月には心筋梗塞を発症。2016年2月には自宅ベッドから転落して頸椎亜脱臼に。その手術を4月に受けた直後、胆のう炎を発症した。

「現在、移動時には杖が欠かせず、時には車椅子も使っています。ファンミーティングを欠席したのは、本人からの申し出だったそうです。“華やかな場所なのに、杖をつきながら出て行ったら盛り下がるから……”という趣旨のことを言っていたようです」(映画関係者)

『劇場版 ドクターX』の撮影現場でも、西田には最大限の配慮が行われていたようだ。

「映画の撮影は、通常1~2か月間で行われます。しかし今回は3~4か月と長めに取られていました。西田さんの出番はかなり少なく、ほとんどが座っているシーンです。西田さんは演出上の配慮に対して、 “こんなに気を使ってもらって本当に申し訳ない”と話していました。

 また、医療ドラマなので、撮影現場には監修を務める医師がいますが、その医師とは別の医師が現場に詰めていたこともありました」(前出・映画関係者)

 一方で、演技へのやる気はみなぎっていた。西田といえば、共演者を混乱させるほどの自由な “アドリブ”で知られる。今回の撮影現場でも、共演者である遠藤憲一(63)や勝村政信(61)を大慌てさせていたという。

「共演歴は10年近いですが、遠藤さんも勝村さんも、いまだに西田さんのアドリブに振り回されているようです。特に遠藤さんは、慌てないように、もしくは慌てていることを悟られないように、“あえて目をそらさない”とか、様々な『西田対策』を講じたそうです。

 ただ、西田さんのアドリブは決して思い付きでやっているわけではなく、計算され尽くされたもの。西田さんは脚本を読み込んで、“こうすればもっと楽しくなるんじゃないか”“もっといい作品になるんじゃないか”といつも考えています。それを共演者はわかっているから、どんなに大変な思いをしても西田さんのアドリブに食らいついていくんです」(別の映画関係者)

後編に続く

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
金正恩(中央)と娘の金ジュエ(右)。2025年6月29日に撮影され、2025年6月30日に北朝鮮の国営通信社(KCNA)が公開した写真より(AFP=時事)
《“爆速成長”と注目》金正恩総書記の13歳娘が身長165cmに!北朝鮮で高身長であることはどんな意味を持つのか 
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト