質疑応答では「動画を拡散した生徒」への疑問も
保護者説明会では、質疑応答の時間も設けられた。「いじめが事実と認めているような印象を与えないか、保護者としては心配だ。毅然と否定してほしい」と学校側に対外的なコメントを出すように求める声もあったほか、「同じ子どもの親として、心に傷を負った元生徒(Aくん)のいち早い回復を願っている」とAくんを気遣う声も寄せられた。
また、「動画を拡散した生徒に、非常に悪意を感じる。動画を拡散した生徒への何らかの指導があってもいいんじゃないか」という意見に対して、学校側は以下のように回答している。
「(動画について)アンケートで調査し、名前の挙がった生徒は別室での指導で反省を促し、保護者を呼んで誓約書を取りました」
ここで保護者から「あくまで指導であり、(動画を拡散させた生徒は)停学といった処分は受けていない?」と質問が飛び、学校側が続けて回答した。
「中学校において、停学といった処分の規定はしておらず、実質、別室指導が停学のような扱いになっており、一番重いのが進路変更勧告というところです」
説明会では「修学旅行以前のいじめの可能性については、どのように結論づけられたのか?」という質問もあったが、学校側は「一方的にずっとやられるいじめの構図ではなく、お互い手を出したり口を出していた」と回答した。
こうして約2時間の説明会が終わったが、前出の学校関係者は納得がいかない様子で語る。
「学校側の説明を受け入れた保護者もいるようですが、自分も含め、釈然としない思いを残したままの関係者も多い印象です。なぜ加害生徒は高校に進学し、被害生徒だけが外部進学になったのか、肝心な部分がいまいち腑に落ちず、Aくんが問題児だったように聞こえました。しかし本当に、それで済ませていい話なのでしょうか」