国内
2024衆院選 自公惨敗、政界再編へ

《惨敗で混乱する自民党》高市支持派の反乱で「大平・福田の40日抗争」の再来か その先に待ち受けるのは“高市新党”結成による自民党大分裂と連立政権崩壊

自民党最大の危機と言われた「大平・福田の40日抗争」の再来か(写真/共同通信社)

自民党最大の危機と言われた「大平・福田の40日抗争」の再来か(写真/共同通信社)

 裏金疑惑をはじめとした「政治とカネ」をめぐる問題を抱えた自民党に、有権者は鉄槌を下した。自公過半数割れは、2009年以来、15年ぶりのことである。だが、政界全体を巻き込む“本当の大嵐”がやってくるのはこれからだ。自民党総裁選で注目を集めた勢いで解散総選挙を乗り切ろうとした石破茂・首相の目論見は大きく外れ、恨みを募らせた反主流派との政争が始まる。発火点と見られるのは高市早苗・前経済安保相。高市氏を支持する反主流派は、ここぞとばかりに“石破降ろし”に動き出す可能性が高い。この石破氏と高市氏の対立は、石破首相の退陣、さらには自民党の大分裂へと発展する可能性も秘めている。【全4回の第3回】

「大平・福田の40日抗争の時とそっくり」

 自民党中枢筋は、投開票直前のタイミングでも、総選挙後の石破降ろしの動きについて、「高市の推薦人の多くは、裏金や旧統一教会で関係のあった議員だから、落選する。どうせ高市の影響力は選挙後に大きく下がる」と強気な姿勢を崩さなかった。

 だが、ポスト石破をめぐる自民党の主流派と反主流派の対立がエスカレートしていけば、そう高をくくってはいられなくなる。総裁選の結果に納得できない自民党の高市支持派が諦めず、首班指名選挙で小泉進次郎氏など主流派の新総裁ではなく、あくまで高市氏に投票すれば、首班指名に自民党から2人が立つという分裂状態になる。

 そうした展開がかつてあった。

 政治評論家の有馬晴海氏は、総選挙敗北から石破降ろし、自民党分裂までの展開が予想される現在の状況を、「大平・福田の40日抗争の時とそっくりになってきた」と見ている。

「40日抗争」は自民党総裁選で現職首相だった福田赳夫氏が大平正芳氏に“まさかの敗北”を喫して退陣に追い込まれた翌年(1979年)の総選挙直後に起きた。

 大平首相が総選挙で議席を減らすと、福田派、中曽根派、三木派の反主流派が退陣を要求して大紛糾。大平氏が拒否すると、首班指名選挙に大平氏と福田氏の2人が立つ異例の事態となり、自民党は真っ二つに割れた。

 僅差で大平氏が首班指名を受けた後も、反主流派はなおも抵抗して総選挙から内閣発足まで40日間かかった。戦後政治史に残る権力闘争だ。

 40日抗争では最終的に党分裂には至らなかった。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン