国内

機関紙『山口組新報』巻頭に掲載された六代目山口組・司忍組長の近影、最新号の「編集後記」に滲むヤクザ社会が直面している課題

六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた

六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた

 六代目山口組が刊行し、傘下組織に配布している機関紙『山口組新報』。巻頭に掲載される司忍組長の近影、幹部陣の寄稿など山口組の動向がわかる重要資料として警察、メディア関係者のあいだで関心が高い。一方で同紙には、俳句や川柳、さらには傘下組織の地元の名所、名産を紹介するコーナーなどもあり、「組員たちの素顔が知れる」側面もある。

『山口組新報』は司組長になってから発行されるようになった。同紙の制作過程については不透明な部分も多いが、六代目山口組に所属する組員によって組織される“編集部”によって制作されているのは間違いないとみられている。

「もちろんマスコミに流れることも想定しているのだろうが、最高幹部が『組織として恥ずかしくない記事を載せるように』と厳命していると聞く。実際、一流大学出身の組員をはじめ選ばれた組員が制作に携わっているようで、硬い文章ではあるが、しっかりとした記事を載せている」(実話誌記者)

 最新号では“編集部”による「編集後記」が業界内で話題になっている。その文章の冒頭は飲食店などの店舗が新紙幣への対応を迫られるといった内容から始まる。今後さらにキャッシュレス決済が増加するという見通しを提示し、スマホやクレジットカードを原則契約できない組員たちに対して、〈今後現金の効力を発揮できない世の中に対応する事は不可欠となります〉(以下、〈〉内は『山口組新報』より)と注意を呼びかけている。

 文章は続く。高速道路のETCや、産業用ロボットの導入など、現代社会は“コスパ”を重要視し、合理化を求める流れになっていると指摘。人との交流もスマホ一つで完結できる社会については〈物凄く便利で快適な世の中に進化しているという体感があります〉とする一方で、〈その反面に古い物は置き去りになり、やがて忘れられるという連鎖は日本人の心まで奪ってはいないかという疑念を抱いてしまう〉としている。〈社会のアンバランスから生まれる「人間関係の希薄」は古き良き時代に培った「貧しても鈍するな」という日本人独特の美学さえ蝕んでいる〉と、その見解を表明している。

 さらに哲学者・デカルトの名言「我思う、故に我あり」を引き合いに出し、〈直接の人間関係が無く孤独感と思考の低下を生み出しています〉とも書かれていた。

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン