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《斎藤元彦知事の公職選挙法問題》元刑事が語る公職選挙法違反の捜査と取り調べ「徹底した張り込みや尾行」「調べる時は議員バッジを外させた」

全国知事会議に出席後、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事(中央)。11月25日(時事通信フォト)

全国知事会議に出席後、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事(中央)。11月25日(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、兵庫県知事選挙でのSNS運用をめぐり、話題になっている公職選挙法違反の捜査と取り調べについて。

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 SNS選挙戦と呼ばれた兵庫県知事選挙を勝ち抜き、知事に返り咲いた斎藤元彦知事に浮上した公職選挙法違反疑惑。SNS上に流された陰謀説なども追い風となって支持者が激増、当選したはずだったが、思わぬ所に刺客がいたのか。

 兵庫県内のPR会社「株式会社merchu」の折田楓代表が、”note”で「兵庫県知事選挙における戦略的広報:『#さいとう元知事がんばれ』を『#さいとう元彦知事がんばれ』に」というタイトルの記事を公開。そこで「広報全般を任せていただいた」と書いた。有償なら公選法に抵触する可能性があり、無償でも贈収賄の可能性があるという。本人は会社や自信の実績としてPRしたつもりだろうが、クライアントの情報を自ら公開するなど広報のプロとしてはあるまじき行為。斎藤知事側は契約書もかわしていなかったという。コミュニケーション不足なのか、リスク管理の甘さなのか、斎藤知事を巡って起きる事案はどれも類似している。

「嫌疑のかかった相手が、こうやって自ら素直に情報を公開してくれるなら、これほど楽なことはない。恨みや妬みがあれば別だが、地元議員の疑惑だと忖度やら縁故やら様々な事情が入り混じり、そう簡単に口を開いてくれる者はいない」というのは、贈収賄事件など知能犯を担当してきた元刑事だ。議員の汚職を暴くには膨大な時間と手間がかかるという。「情報を掴むと、その議員を最低でも半年あまり追いかけることになる」。疑惑の立件に向け証拠を固めるため、対象を尾行するのだ。

「例えば贈収賄だと、半年近くはずーっと対象を見続けることになる。どこかの店に入れば、後について入り、近くの席に座る。入れないような店では、その周辺で張り込む。対象が誰と会って、どこで飲み食いしているか。誰が飲み代を支払っているのか。金や物品の受け渡しはあるのかなどをチェックする。公職選挙法が改正されたことで、昔は現金の受け渡しがなければ逮捕できなかったが、今は飲み食いが重なり、その飲み代を奢られることが重なれば捕まえることができるようになった」(元刑事)。後援団体や関係会社などから政治家への寄付は禁止。かつてどこの選挙事務所でも恒例のように選挙ボランティアに寿司を振舞っていたが、これも法改正で違反になる。当時経済産業相だった菅原一秀氏は、選挙区内の有権者にメロンやカニを贈っていたことが発覚し辞職している。このため以前にもまして、尾行や張込みが重要だという。

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